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わたしの豊岡スケッチ 〜移住編〜

豊岡に移住しました!

みなさん、はじめまして! 美藤 まり奈と申します。
私は2018年に横浜から豊岡へ引っ越して来ました。

私の移住の理由は結婚でした。夫は豊岡出身の彫刻家で市民ライターの美藤 圭です。
絵描きの私は東京の展示会で彼と知り合い、交際。
結婚をするために昨年このまちにやってきました。

詳細はこちらへ↓
豊岡で奥さんになるということ

関西に縁もゆかりもなく、行ったことがあるのは修学旅行の京都・奈良。
こんな私が縁あって、豊岡に住むことになりました。

真新しいスケッチブックに絵を描き始めるような気持ちで、移住者の視点から見た豊岡をお伝えできたらいいなと思っています。

豊岡ってどんなとこ?

兵庫県へ引っ越す、と言うと周囲の人は決まって「神戸?」と言います。
「えーっと、神戸じゃなくて京都寄りの兵庫だよ」と手で兵庫の形を作って説明する私。
私も夫と出会うまで豊岡の知識はゼロに等しく、志賀直哉の『城崎にて』で、キノサキという地名を知っている程度でした。

夫のご両親への挨拶のために、初めて豊岡を訪れたのは2017年の5月のこと。
晴れ空に川沿いの柳がきれいだったことを覚えています。
風情ある城崎温泉は、少し箱根に似ているなあと思いました。

豊岡駅の周りには商業施設。ここで買い物ができるぞ! と思いきや、商店街を過ぎると徐々にお店がなくなっていき、住宅と田んぼの景色に変わっていきます。
この辺りの人たちは車で買い物に出るんだろうなあ…と想像したりしました。

私はこのまちに馴染んで行けるかな。
車の免許を取って運転して、新しく友達を作って、楽しく生活をしていけるかな。
自分の家族と遠く離れて新しい土地で結婚して生活をする、という大きな変化にもちろん不安もありました。

田んぼを抜けると大きな一軒家。優しい家族の出迎えに安心しました。
義父母の穏やかな雰囲気は、新しい場所で一から自分の環境を再構築していく私にとって、とてもありがたいものでした。

これからの彼との楽しい暮らしに胸躍らせつつ、

「夏は暑いで」
「冬は雪かきせんなん」
「車が無いとこの辺は暮らせれへん」
「梅雨は泳げるくらいの湿気やで」

なんて言葉に不安もありながら「えーい、住んでみないとわからない!」と、2018年3月に実家の猫と共に引っ越して来たのでした。

お嫁さんのお菓子と隣保(りんぽ)

こうして始まった、私の新しい生活。
新居の工事が終わるまでの間、夫の実家に住まわせてもらっていました。
入籍予定日まで少し日がありましたが、今後お世話になるので一足先に結婚の報告に親戚やご近所さんを回りました。

そんな時、噂に聞いていた「お嫁さんのお菓子」の登場です。
「お嫁さんのお菓子」とは但馬地方の風習で、挨拶まわりや結婚式で新郎新婦が配るお菓子のことです。(徳島、香川などにも同じような風習があるようです。)

巾着袋の中身はクッキー、チョコ、おかきなどの詰め合せや瓦せんべいなどがあります。
結婚報告専用のお菓子があることを最初は不思議に思いましたが、これを挨拶の際に配ることによって新しくやってきたお嫁さんがご近所と顔見知りになり、少しずつ地域に馴染んでいくんだなあと思いました。

それともう一つ、初めて聞いた言葉が「隣保」です。
家族で挨拶まわりの相談をしていた時でした。

「うちげぇの隣保は〇〇さんと〇〇さんと…」

「え? りんぽ???」

頭の中で漢字変換ができませんでした。
以前読んだ、広島が舞台の漫画「この世界の片隅に」の中にもこの言葉が出てきたので、西日本ではこの名称が一般的なのでしょうか。

隣保は1隣保、2隣保と数えて区別されるそうですが、私の地元では自治会それぞれに名前があり、さらに分類するために班と付いていました。
私の実家は「春の木会5班」でした。回覧板や近所の清掃、防災訓練、小学校の登校班などにこの区分けが利用されていたと思います。
言い方は違えど、地域の運営や仕組みはどの地域も一緒なんだなと思いました。

お祭りやお葬式、清掃活動など日常の生活にも隣保が役立っています。
小さな変化にもすぐに気付けるような目線(地域コミュニティ)があることは、今の時代に必要な仕組みだと思います。
豊岡の新しい一面を知った日でした。

これからも、豊岡の暮らしの中で出会ったことや知らないことを色々と発見して紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします!

この記事を書いた人

美藤 まり奈

横浜市出身。絵描き。
東京の美術専門学校を卒業後、渡仏。
アーティスト・イン・レジデンスにて半年間の制作滞在を行う。
関東でグループ展にて活動する。

2018年豊岡市へ移住。
市内で「& Gallery」という画廊兼アトリエを始める。
不定期に展示中。

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