MENU

はじめまして、但東担当します

はじめまして。豊岡市但東町に暮らしてもうすぐ15年目になる西垣由佳子です。この度ご縁がありまして、「飛んでるローカル豊岡」の市民ライターになりました。
但東町の魅力をこれから少しずつ発信していきたいと思います。

但馬の東の玄関口、但東町

皆さん、但東町と聞いて位置が思い浮かぶでしょうか?浮かばない?では、一から始めましょう。
まず、兵庫県の地図のカタチをイメージしてください。静岡県なら金魚のカタチに例えられますが、兵庫県はタコが右を向いたようなカタチをしています。そのタコの口にあたる部分が丸ごと但東町です。豊岡市の中心部はタコの目のあたり。目と口は30㎞くらい離れています。
タコの顔は京都府と接していますので、但東町は豊岡の中で都に一番近い町でした。参勤交代が行われていた時代は宿場町、昭和中期は養蚕や機織りの町として栄えていた山間地域です。

但東町には3つの地区

さて、但東町の位置はお分かりいただけたと思いますので、さらに但東町で基本となる地区をご紹介しましょう。
但東町には【合橋(あいはし)地区】【資母(しぼ)地区】【高橋(たかはし)地区】という3つの地区があります。
ここで、フレミングの左手の法則の手をしてみましょう。親指の方向が合橋地区、人差し指が資母地区、中指が高橋地区になります。地区ごとに認定こども園や小学校、診療所やコミュニティセンターがあり、手のひらにあたる中心部には、但東振興局(豊岡市役所の但東支所)や図書館、郵便局や銀行、ガソリンスタンド、スーパーなど、但東町の暮らしに欠かせないお店や施設が集まっていますよ。

Uターンのきっかけ

但東町は、夫の故郷です。結婚して数年は、私の実家の近くの神戸市に住んでいましたが、夫は長男でしたし、いつかは但東町へ帰るんだろうな、と思っていました。長男が幼稚園に入園する時期になり、小さいうちのほうが環境に馴染みやすいかもしれない、と家族でのUターンを考え始めました。
一番悩んだのは幼稚園や小学校の規模の小ささです。小学校は全校生が40名ほどで、同級生になる子たちは3名、2学年が一緒の教室で勉強する複式学級だと知りました。小さな幼稚園や学校の様子は私には想像もつきませんでしたが、きっかけとなったのは夫の一言でした。
「人生の中でそんな経験ができることは、そうない。大きな学校なんていくらでもあるけど、そんな小さな学校に通えるなんて、この子たちはきっとすごくいい経験ができるよ。」
その言葉になんだかワクワクして、早速、引っ越しの準備を始めました。

 

兵庫県の北と南は大違い

庭に産みつけられたモリアオガエルの卵のかたまり

まず、移住した頃は、気候の違いに驚きました。
夏の夜、山沿いは気温が下がって窓からは心地良い風が入ってきます。もちろん冷気だけではなく、室内の明かりに誘われて虫たちも入ってくるのですが、移住して1、2年が経つと、この季節にはこの虫が発生する、という自然のライフサイクルが見えてきたのです。まさに虫たちが教えてくれる季節の便りでした。
当時の私は虫が大の苦手でしたが、じっと見ていると、その虫を食べるためにアマガエルが窓に張りつき、張りついたカエルを狙って、物陰でヘビが待ち伏せしている、そんな生きものたちのつながりが大変面白く感じられました。身近な生きものたちのワイルドライフを息子たちと楽しみながら生活できたことは、とてもラッキーでした。

但東の夏の夕暮れ

また、湿気の多さは山陰ならでは。神戸では乾燥対策に加湿器をフル稼働していましたが、不用になり、友人にあげてしまいました。代わりに購入したのは除湿器です。洗濯物がなかなか乾かない季節には除湿器頼みですし、気を抜くとカーテンにカビが…なんてことも。しかし、湿気が多いということは別の面で暮らしに潤いをもたらしてくれます。
朝、外に出ると、夜露に濡れた植物たちの美しいこと。目の前に広がる山並み、鳥の鳴き声、土の匂いなど、ダイレクトに五感を刺激される毎日でした。ご近所の皆さんが「食べてぇな。(食べてね)」と野菜を持ってきてくれることもしょっちゅうで、採れたての野菜ってこんなにみずみずしくておいしいんだ!と田舎に暮らす贅沢さを感じました。

雨の中のツバメ

鶏舎が近くにある我が家の車庫には、ハエがたくさん飛んできます。最初はどうしたものかと困っていたのですが、春、ツバメが飛び回り、そのハエを高速で捕らえた瞬間を目撃しました。そして、ハエを捕らえる瞬間のパチン!という音を聴いたとき、おおお!と心の底から感動しました。ハエもツバメの大事なエサ生物。ハエなどの虫は不快な時もありますが、実は野菜や果物の受粉を助けてくれている大切な存在だと知りました。つまり、ハエたちがいないとおいしい野菜も果物も私たちは食べることができないんですよね。そして今、そんな虫たちが環境の悪化でどんどん減って世界中で大ピンチになっている!…それを聞いた時、イヤなイメージだったハエに対して、「がんばれ、ハエ!」という気持ちがモーレツに湧いてきました。
どんな生きものも、なにかしら大切なはたらきをしていて、私たちはそんな生きものたちのおかげで四季折々のおいしいものを食べたり、ステキな景色を楽しんだりしている、ということを但東町での暮らしは教えてくれました。

但東であそぶ、自然とあそぶ

但東町、平田こども自然村での観察会

楽しく子育てさせてもらった地域や自然に恩返しがしたいと思い、昨年の春、友人たちと〈但東 野あそびくらぶ いつなっと〉という団体を立ち上げました。「いつなっと」というのは但馬弁で「いつでもどうぞ」という意味です。自然のふしぎさ、おもしろさを通して、但東町の子どもたちが自分たちの住む町のことをもっと好きになってもらえたら、と親子向けの自然観察会をひらいています。
但東 野あそびくらぶ いつなっと | Facebook

但東町のステキな場所、いいところ、困っていること、この町に興味を持っていただいた方の参考になるような、そんな記事を書いていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

この記事を書いた人

西垣 由佳子

2008年4月に夫の故郷である但東町に移住。但東町での子育てを通して、人の温かさや自然の面白さに目覚める。2021年の春、友人と共に「但東 野あそびくらぶ いつなっと」を立ち上げる。但東の自然とあそぼう、を合言葉に2か月に1回、ときめく自然観察会や自然体験活動をしている。

この記事を読んだ人にオススメ!

ホーム 暮らし はじめまして、但東担当します