雨が多い豊岡に移住したら知っておきたい、気象病・低気圧対策について

「弁当忘れても傘忘れるな」
この格言、雨の日が多い但馬地方の特徴を表している言い習わしです。私が豊岡への移住を検討していたときに不動産屋さんなどから何度となく耳にしました。
実際に住んでみると、今日は晴れかと思ったら急に雨が降ったり、一日中曇り空で雨が降ったり止んだり。大阪にはない空模様で「ホントに格言通りなんだな」と感動しました。
そして雨の日といえば、気圧変化の影響で自律神経が乱れがち。
豊岡に移住したての頃は、頭痛や首肩凝りに悩まされたり歯が痛くなることがたびたびありました。
気圧変化に関連する諸症状を「気象病」と呼んだりするそうです。
移住3年目となった今、気象病の対策方法を知って体も慣れてきたからか諸症状を抑えることができるようになってきましたが、「何か体がだるいな」「なんとなく気が重いな」と思ったときはすぐにいろんな方法で対策しています。
今回は、雨が少ない地域から移住されてきた人向けに、私が取り組んでいる気象病・低気圧対策をご紹介したいと思います。
豊岡は全国的にどれくらい雨が多いのか

出典:Urushimaru 作成「Japan climate classification 1.png」Wikimedia Commonsより(CC BY-SA 4.0)
まずは気象病・低気圧対策の前に、豊岡はなぜ雨が多いのか調べてみました。
豊岡は「日本海側気候」に属していて、日本海の湿った空気や冬の季節風の影響で雨や雪が多くなるのが特徴。
一方、大阪は「瀬戸内海式気候」に属し、年間を通して晴天が多いので降水量は全国的に見ても少なくなります。
統計データでは、2024年の年間降水量は豊岡が約2,210.5mmで大阪は約1,590.0mm。
豊岡の方が年間で約600mm多いです。
(引用元:2024年の気象庁計測データより)
「大阪に比べたら豊岡の2,210mmは多いな。約1.4倍か…」と感じるかもしれません。
ただ、「気象庁の観測所が設置されている都市でのランキング」で比較すると、豊岡は兵庫県内では1位ですが全国では800ヵ所中136位です。
(引用元:OCN不動産「兵庫県の年間降水量(順位)」より)
豊岡と同じくらいの降水量の都市は、和歌山県田辺市、新潟県上越市、富山県富山市、秋田県秋田市、石川県輪島市など。
同レベルの仲間がたくさんいるので、必要以上に雨の多さを怖れなくてもいいように思います。
ちなみに1位は鹿児島県屋久島で約4,455.5mm。なんと豊岡の倍以上の値です。
屋久島に比べれば大阪との600mm差なんて違いはそんなにないな…と、何となく気が楽になります。
気象病・低気圧対策のセルフケアについて
それでは、移住後に気象病に悩んでいる方のために私が取り組んでいるセルフケア方法を3種類ご紹介したいと思います。
【セルフケア① 本気でラジオ体操】

ラジオ体操はすごいです。ヨガを行うように正しい姿勢で指先まで集中して全身が伸びるようにゆっくり丁寧に行えば、
- 深い呼吸と全身運動で自律神経が整う
- 血流・リンパの循環を促して頭痛やむくみを抑える
- 耳の血流を改善して内耳センサー異常によるめまいを安定化
など、気象病の主な要因への対策となります。
ラジオ体操1番目の「伸びの運動」だけでも丁寧に繰り返すと、肩周りがストレッチされてスッキリします。
会社でよく実施されている「始業前・午後3時のラジオ体操」は理にかなっているのだなとしみじみ思います。
なお、豊岡市では戸別受信機の防災行政無線にて、月曜日から金曜日までの午前9時にラジオ体操が放送されます。
体を動かす習慣となりながらも豊岡のイベント情報や災害発生時の情報などが得られるので、移住された方は導入されてみてはいかがでしょうか。
■豊岡市 危機管理部 危機管理課 危機管理係
〒668-8666 豊岡市中央町2番4号
電話:0796-23-1111 ファクス:0796-24-5932
https://www.city.toyooka.lg.jp/bosai/1019912/1027805/1013487.html
(リンク先ページにお問い合わせフォーム有り)
【セルフケア② 首・顔周りのストレッチ】

ラジオ体操で十分にまかなえない局部のストレッチを行います。
気象病に悩まされ始めた頃は「?」の形をしたツボ押し器やテニスボールを使って背中をぐりぐりほぐしていましたが、揉み返しで逆に痛みが増加。丁寧なストレッチが私には合っているなと感じています。
私がやっているストレッチをいくつかご紹介します。
①ストレートネック解消ストレッチ
首の後ろの両側の筋肉がゴリゴリしてきたら「これはやばい、そろそろ歯痛がくるな」とわかるようになってきました。
ここを強く揉むと痛みが増加しやすいので丁寧にストレッチします。
- 首を前に倒したあと右を向いて斜め前に倒し、右手を頭の左側(耳の後ろ)に当て、ゆっくりと右手で首を右斜め前に押して首の後ろを伸ばす。左右行う。
- 右手を左の肩~鎖骨の部分に押し当て、真上を向き、顔を右にねじって、あご側面の筋肉を伸ばす。左右行う。
首回りのストレッチはいくつかありますので「ストレートネック ストレッチ」などでウェブ検索してお試しください。
②耳たぶひっぱり
耳全体を持って横に引っ張ったり、耳たぶを斜め下に引っ張ったり、ゆっくりと大きくぐるぐる回して引っ張ります。
副交感神経を刺激し、耳周囲の血流を促進させて首周りのこわばりを和らげることができるそうです。
テレビなどで気象病対策としてよく取り上げられるマッサージで、手軽にサッとできて便利です。
③頭と頬のマッサージ
食いしばりでこりやすい頭の筋肉・側頭筋をマッサージ。シャンプーをするときのように手を広げて頭皮を揉みほぐします。
耳の下のくぼみや頬の筋肉も撫でるようにマッサージ。
つい強く揉んでしまうのですが、痛みを誘発しやすいので優しく行っています。
ストレッチは仕事の手が止まるので好きではないのですが、この5分をやらないと数時間の首肩コリに悩まされることになるので仕方なく取り組んでいます。
特に40歳を過ぎるとホルモンバランスの影響で筋肉がこわばりやすくなるそう。
「無茶ができる年齢ではなくなったんだなあ」としみじみ感じる今日この頃です。
注:人によって作業姿勢や筋肉量などで有効なストレッチが変わってきます。自分に合ったストレッチを見つけて頂ければと思います。
【セルフケア③ 飲み物・食べ物】

最後に、気象病対策の食べ物・飲み物のご紹介です。
①バナナを食べる
自律神経を整えるセロトニンを合成するためには「トリプトファン、炭水化物、ビタミンB6」が必要。これらを一度に摂取できる代表的な食べ物がバナナです。
雨が降ったらバナナ、台風が接近したらバナナ。
手軽に摂取できて消化も早いのでおすすめです。
②コーヒーを飲む
カフェインの血管収縮作用やリラックス効果で頭痛対策をします。私は1日3杯飲んでます。
コーヒーが苦手という人は代わりに紅茶や緑茶などでも良いと思います。
栄養ドリンクを摂取するのもお手軽です。
③塩をなめる
気圧が下がると血圧も下がり、血管が拡張して頭痛やめまいにつながるそうです。
なので、頭が痛いなと思ったらペロっと塩をなめています。
最近買った「竹野 誕生の塩」はそのまま食べてもまろやかで美味しいです。
※高血圧の人は塩分の過剰摂取にご注意ください。
気象病対策で楽しい豊岡ライフをお過ごしください

▲来日岳の美しい雲海は日本海側気候だからこそ
以上、大阪から移住した私が実践している雨の日の気象病対策でした。
他県から移住して「なんか体が重いな」「首肩コリが増えたな」と思ったら、それは気候の変化が原因の可能性があります。
豊岡に移住した最初の頃に気象病の原因と対策を知っていたら、無駄に健康グッズを買いまくることもなく、無駄に歯の神経を抜く必要もなく、湿布を貼りまくって子供に「パパ、くさい」と言われることもなかったかもしれません。
移住後の謎の頭痛・肩こりにお悩みの方はご紹介した気象病・低気圧対策をお試し頂ければと思います。
ちなみに豊岡に長く住んでいる義母に話すと、「気象病対策? 特にしてませんねえ」と言われました。
気象病研究の分野では「引っ越して3年くらい経つと症状が落ち着く人が多い」という臨床報告が出ているそうです。
体が日本海側気候に慣れ切るその日まで、ラジオ体操やストレッチをよいしょよいしょと頑張って対策に励みたいと思います。