MENU

二つのバス停があること

バス停と旧バス停

 

今年も夏がやってきました。

豊岡は30度を超える真夏日が続いています。

今日は僕の住む「倉見」という地区について書こうと思います。

 

幼い頃は何とも思わず過ごしていたけど

最近になって不思議に思うことがあります。

それは

 

うちの地区には同じ名前の二つのバス停があるんです。

 

まず、これが今のバス停

村の外側の道路、県道248号線沿いにあります。

 

 

横から見ると結構際どいところに立ってます。

 

 

小、中、高校生は雪が降る冬の期間だけバスで通います。

遅れそうな時は自転車でここまで来て

中に自転車を置いて(のどかな地域ではよく見る光景ですが、市街地ではダメかも)

バスに乗ります。

1時間に1本しか来ないので遅れたら一大事。

 

1時間に1本しか来ないので遅れたら一大事。

 

 

 

そしてもう一つのバス停がこれ。

通称 旧バス停

現在のバス停から200メートルほど離れた旧道沿いにあります。

20数年前はここにバスが停まっていたそうです。

役割を終えた建物のその後

村人にとって旧バス停とは何なのか。

もちろんバスは来ません。

しかし、コンビニなどの目ぼしい建物のない地区の中で、

旧バス停はランドマークのように存在しています。

集合場所であったり、休憩所であったり、祭りなどのポスターを貼る掲示板であったり。

 

 

役目を終えたバス停は取り壊されることなく、

地域の人たちの共通意識の建物としてそこにあり続けます。

 

 

余談ですが、こちらは旧バス停から少し歩いたところにある

 

 

通称 精米所

 

青いトタン屋根がいい味出してます。

昔はこの辺の農家さんが共同で使っていたそうで、

収穫したお米を、籾摺り(もみすり)から精米まで

行っていたそう。

 

今は、廃品回収の集積所にしたり、

年に1回ここで消火訓練をしたり、

何人かで集まって卓球をしたり。

しかし名前は 精米所。

天井には昔のモーターの名残もあって、

個人的には素敵な空間だと思ってます。

 

これらの建物は

不要になったら取り壊して新しく立てて壊して……

というサイクルから外れて

地域の住民の発想と慣習により

用途を変えながら使われ続けています。

 

スクラップアンドビルドからリノベーションへ。

その先があるとしたらこんな感じではないでしょうか。

この記事を書いた人

美藤 圭

クリエイター(自営)
高校卒業後、「ものづくりで飯が食いたい」と思い、飛騨高山へ。
設計事務所、家具工房、家具メーカーを経て、2015年地元豊岡にて家具と彫刻の工房「2B works 」を開業。

趣味はボーッとする事と寝ること。

この記事を読んだ人にオススメ!

ホーム 暮らし 二つのバス停があること