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時には起こせよ大きな移住ムーブメント~SMOUTで全国1位に~

こんにちは!
豊岡市で起業して5年目、本屋さんで映画プロデューサーで市民ライターの西垣です。
ちなみに、飛んでるローカル豊岡のスタートと同時期から移住促進に関わり、こちらも5年目です。

昨年、飛んでるローカル豊岡に大きなニュースがありました。
なんと豊岡市が移住スカウトWEBサイト「SMOUT」で行われた
「SMOUT移住アワード2020」で1位を獲得したのです!

1年間で最も多く「ファボ」された人気移住地域を表彰する「SMOUT移住アワード2020」
https://lab.smout.jp/smout-awards-2020

実は今、豊岡市が移住者に最も注目されているまちの一つになっていることを知らない市民の方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、具体的な数字や実績を交え、移住で盛り上がるまちで何が起こっているのかをお伝えしたいと思います。

「え?豊岡って今、そんな事になってるの?」


と思っていただけると嬉しいです。

SMOUT移住研究所のWEBサイトより転載

2つの移住ムーブメント

今、全国的に移住がとても盛んになっています。

豊岡市が前述のランキングで1位を獲ったことでもわかるように、移住に関して豊岡市はとても高い注目度を得ています。その理由は、行政が人口減少対策として「移住促進」に早くから注目して力を注いできたから。

2016年から豊岡市は「飛んでるローカル豊岡」をはじめ、様々なメディアを通して豊岡での暮らしを積極的に伝えてきました。どんな生活環境でどんな仕事があるかという話から、虫が多いことや夏は猛暑で冬は大雪という話まで、移住を検討されている方に向けて“暮らしのリアル”をお伝えしています。

また、都会で行われる移住フェア(複数の自治体が一堂に会し、移住検討者に向けてPRを行うイベント)への参加も早くから取り組んできた結果、それらの情報を移住希望者へ届けられていたようです。

でもなぜ移住希望者が多くいるのか?
それには「2つの移住ムーブメント」が関係していると私は考えています。

一つめのムーブメントは、2011年に起きた東日本大震災。
突然起きた国中を巻き込む自然災害によって、人々の価値観は大きく変わりました。
そして、自分や家族にとってより良い環境を探したり好きな仕事を実現しようとしたりする人が顕在化。
実際に、会社員として第一線で活躍していた東京在住の私の友人も、ちょうど結婚し子どもが生まれたタイミングで震災に。
子育てや自分がこれからやりたいことを見つめ直したり、人生の長い時間を過ごしていく生活環境のこと
で悩んだりした結果、移住を決意したそうです。
より良い子育て環境を求める人や都会での働き方を変えたかった人にとって、東日本大震災が一歩ふみ出すきっかけになったという声は他の方からもよく聞きます。

もう一つのムーブメントは、現在の新型コロナウイルスによる影響です。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、密になりにくい生活を選ぶ人は今後も増えると考えられます。また、リモートワークの普及により出社する必要がなくなり、地方でも都会と同じような仕事ができる環境が整ってきています。最近では会社ごと地方移住を考えるような経営者も現れてきています。
大都会はどうしても人が密集しやすい環境にあるため、人の少ない地方都市はむしろ価値が高まりはじめています。

実際に、豊岡市のUIターン相談窓口での相談件数は2020年に大きく伸びています。

2016年度~2020年度の豊岡市への移住相談件数

74組123人の豊岡移住、そしてアーティストの移住へ

市の相談窓口を経由した豊岡市への移住者数は、2016年~2020年で187組343人。
特に2020年は過去最高の74組123人でした。

2016年度~2020年度の豊岡市への移住者数

また、アーティストやクリエイターの移住も増えてきています。
豊岡市では、これまで演劇やダンス等の舞台芸術に特化した滞在型の制作活動拠点である城崎国際アートセンターが世界とまちをつなげていました。

世界的に有名な劇作家平田オリザさんご本人と、平田さんが主宰する劇団「青年団」も拠点を豊岡市に移し、多くの劇団員さんが移住してこられました。

また、この4月には芸術文化観光専門職大学も開学し、よりアートがまちに浸透していくことでしょう。
そんな動きがクリエイターやデザイナーの移住も促しています。
作品の発表の場が都会であってもクリエーションは地方で行うこともできるようになってきたため「都会に拠点を持つ」必要性が少なくなってきていることも影響しているかもしれません。

大都市に魅力を感じない人たち

移住促進にかかわるようになってから、
豊岡に移住された方、
豊岡への移住を検討されている方、
場所は決めていないけど移住をしようと思っている方、
いろんな生き方や考え方を持つ方と接する機会が増えました。

その中で私が感じること、それは「大都市に魅力を感じなくなった」という方が増えているということです。
同じ地域に住んでいたり組織に属していたりすると、時にはなんとも言えない閉塞感に包まれることがあります。集団への帰属意識を同調圧力のように感じてしまったり、今あるものを無理に守ろうとして過度にプレッシャーを感じてしまったり。そんな時、私は外からの視点(移住者からの視点)にハッとさせられることがあります。

人口減少は止まらない、
働き手は増えない、
これは日本全国各地で起こっている問題です。

そして「小さな世界都市」豊岡は、コウノトリや豊岡鞄、演劇などのほかのまちには無い魅力をとことんまで深めることで、移住者に選ばれるまちになってきました。
そしてこれからは、豊岡の既存の文化と移住者が持ってきてくれる新しい文化が共存するまちになればさらに良いなと思っています。

今回は移住についてこのまちで起こっていることを、いち市民である私の視点から書いてみました。

少子高齢化の大きな波は引き続きおし寄せてきます。
また、これからも様々な問題が豊岡を襲います。
ですがこのまちは他のまちとは少し違う、“飛んでる”視点で進んでいくのだと思います。

小さな世界都市 豊岡、
そして「飛んでるローカル豊岡」を今後ともよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人

西垣崇史

兵庫県城崎温泉出身。高校卒業後に大阪で映像を学ぶ。
ITインフラが地方でも普及した事で”都会と地方の距離が無くなった”と感じUターン。
市内企業の勤務を経て2016年に「人が集まる場所を作る」をテーマに個人事務所を設立し独立。
飲食と宿泊機能を持つ書店「BookStore iChi」の経営の傍ら株式会社EVAの代表取締役を務める。プロデュースした短編映画「桜が咲く頃 交わした約束は、」がマドリード国際映画祭で外国語最優秀短編映画賞を受賞。

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