北の国・兵庫県北部の豊岡から
城崎の冬
「お母さん、都会って平和やなぁ…。」
首都圏で街中にサルやイノシシが出没すると
捕獲大作戦の映像と共に朝からテレビで流れるニュース。
そして雪が数センチ積もるとこぞって放送される
“積雪数センチの雪道での歩き方注意事項”。
上のセリフは、そんなニュースを見ながら
“北から目線”で呟く息子のセリフ。
そうなんです。豊岡では野生動物の出現は日常茶飯事であり
積雪数センチはごく普通の出来事なのです。
それでも今年はたくさん降りました!
もうすぐ4月。
城崎温泉もすっかり春の陽気が漂いはじめましたが、
今年の冬を振り返ってみますと“大雪”のひと言に尽きるシーズンでした。
降っても降ってもまだ降りやまぬ雪。
積雪量は数センチどころか1メートル越え。
「そろそろやまないかなー」と思っている大人を横目に
「もっと降れー!!」と口をそろえる子どもたち。
大雪警報が発令されると学校は休校となるため、その狙いもあるようですが…。
目的はこれ‼
小学4年生の次男の目的はこれ。
雪遊び!!
家の前には除雪車の運転手さんが集めてくださる雪で山ができます。
日に日に大きくなっていく山に比例して、次男のテンションも日に日に上昇。
朝からスキーウエアを着て、とりあえず登校前にひとすべり。
室外機の除雪も楽しい朝のお仕事のひとつ。
そして学校から帰ると、暗くなるまで遊びます。
降り続くと雪山は数メートル越え!
遊び疲れたらひと休み。
口を開けて雪で喉の渇きを潤します。
※ほとんど入っていませんのでご心配なく。
おとなでも一度はやってみたいやつ。
つららの採集にも余念がありません。
大ものが取れると誇らしげ。
遊んでも
遊んでも
飽きないそうです。
我が家の老犬も、とばっちり。
ジュースを外に出しておいてシャーベットを作ってみた!
というお友だちの話を聞いて早速実験を開始。
寝る前に埋めてみました。
翌朝わくわくしながら掘り起こしてみましたが全く凍っておらず失敗。
今度はよく冷えそうな容器に入れて埋めてみることに。
※サッカーの練習前なので半ズボンです。
シャーベットのためなら寒くないそうです。
翌朝、わくわくを抑えきれずパジャマで発掘するもあえなく撃沈。
全く凍っていませんでした。
それならば…と、そのまま放置してみたり、
雪に塩を混ぜてみたり、
大雪を目の前に試行錯誤の毎日。
ついにできた‼
そして何日たったでしょうか。
アイスシャーベットチャレンジがついに成功‼
ジュースをパックから取り出しタッパーに入れ、
回りの雪に塩を混ぜて一晩放置した結果、
ついに完成したようです。
何日もかけて完成した自家製!?アイスシャーベット。
美味しかったことは言うまでもなく。
格別のお味だったそうです。
雪のことは他の市民ライターも書かれています。
こちらも是非ご覧ください。
みんな雪と向き合い暮らしています。
もちろん楽しいだけではなく、大雪は私たちの暮らしに
大きなダメージも与えます。
正直、もうやんでくれないかと何度も思いました。
乾いたアスファルトをスニーカーで普通に歩くことが
どんなにありがたいことかも身に染みて感じます。
ただここで暮らす人たちは、そんなことで根をあげません。
野生動物を見かけても大雪が降っても動じません。
雪の朝には早起きをし、雪かきをして静かに一日が始まるのです。
子どもたちは普通に暮らしているだけで、
ちょっとだけ我慢強い子になれるはず。
そして温かい陽射しが降り注ぐ何気ない一日を、
人一倍うれしく幸せに感じられるのです。
そうすると北の国での暮らしも悪くはないな…と思えるのでした。