餅つきとUターン

少し前の話になりますが…

 

昨年末の12月30日、我が家は餅を搗きました。

白丸餅、鏡餅、平餅、栃餅、豆餅…全部で6臼。

 

20年ほど続いている我が家の恒例行事です。

年に一度の慣習なので、準備の手順を覚えていなかったり

毎年試行錯誤しながらやっています。

 

 

羽釜と蒸籠。これでもち米を蒸します。

 

搗いた餅は冷凍保存するので一人暮らしのときには、送ってもらった餅をとても重宝しました。

 

一年間かけて家族全員が食べるので、

今年は栃餅をやってみようとか、

量を増やしてよもぎ餅も豆餅もやろうとか、

近所から頼まれて1臼多めに搗いたり、

家族全員が楽しんで協力してやっています。

 

 

 

砂糖醤油に餡子、大根おろし…お昼ご飯は搗きたてのお餅をその場でいただく。

松べた、と呼ぶのは但馬だけだろうか?丸めた餅を並べる容器。名入りの物は祖父の代からある。

 

前の日に道具を出してきたり、

臼に水を張っておいたり(水分で木の導管が塞がって餅がくっつきにくくなるんです。)

当日の段取りで、薪で火をおこしたり、テーブルを用意したり、

歳を重ねるごとに少しづつ覚えていって、

だんだんと自分の役割が増えていきました。

 

蒸したお米を臼に入れる。

米の粒感が無くなるまで小突きする。ここが一番しんどいし腰にくる。栃やヨモギはこの時入れる。

餅らしく纏まってきたので本搗き。合いの手を叩くと怪我をするので「ハイ!ハイ!」とお互い声を出す。

粒がなくなって弾力もついて、大きな餅に纏まったら鉢に移して丸める作業へ。

手のひらサイズにちぎって

あとはひたすら丸める。

薪ストーブに薪をくべる父。釜の湯を沸かし、蒸籠でもち米や栃を蒸す。搗いた餅が冷めないように鉢を上に乗せて温めておく。

 

 

「今年の正月はいつ帰ってくる?いつ餅搗く?」

年末になるといつも聞かれるこの言葉が

だんだんと自分の足を豊岡に向かわせていったというか、

いつかは帰らないと、と思わせていた気がします。

 

 

 

年に一度や二度しか帰らなかったけれど、

両親がだんだんできなくなることが出てきたり

実家の家事やなんかで、面倒くさがっていたことが

だんだん自分ごとになっていくと、

そろそろ帰ろうかなぁ、と感じるようになりました。

 

両親がそんなことを考えて餅搗きをやらせてたとは思いませんが

餅の中に「いつか帰ってこいよ」を摺り込まれていたのかと思うと

まったくうまくやってくれたぜ と感じた今年の餅搗きでした。

 

帰ってきたよ。

ただいま豊岡。

 

この記事を書いた人

美藤 圭

クリエイター(自営)
高校卒業後、「ものづくりで飯が食いたい」と思い、飛騨高山へ。
設計事務所、家具工房、家具メーカーを経て、2015年地元豊岡にて家具と彫刻の工房「2B works 」を開業。

趣味はボーッとする事と寝ること。

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