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竹野浜で人々を虜にした幻想的な光 ~今年の夏、また見られるかも?~

はじめまして、丹下芙蓉です。
横浜から移住して今年の春で7年目に突入しました。

豊岡市の日本海側、竹野地域で地域おこし協力隊として活動していた頃に立ち上げたNPO法人「たけのかぞく」で竹野地域へ移住したい方を町案内したり、移住者向けの空き家を探したり、竹野地域で採れるネバネバ海藻「あかもく」を乾燥加工して販売したりしています。

 

時には移住希望者に竹野の海を案内することも

毎年春に行っているネバネバ海藻「あかもく」干しのようす

今回は、5月~8月にかけて豊岡の海岸部で見られる幻想的な光たちについてご紹介します。

時をさかのぼって5月18日。昼間の竹野浜に異変が起こりました。奥城崎シーサイドホテル前、竹野新港がまるで血の海。なかなかのインパクトです。これだけ見ると「こわい」「気持ち悪い」と言った声が聞こえてきそうですが、地元民なら「今夜はいける!」と思ったはず。

まるで血の海(提供:奥城崎シーサイドホテル)

そして、あたりが完全に真っ暗になった20時頃。この日の竹野浜にはいつになく沢山の人たちが集まりました。竹野地域に限らず、市内各所から車で駆け付けた人も。子どもたちの声もする賑やかな雰囲気の中、見られた光景がこちら!

幻想的な光(提供:笠浪 幸壽氏)

まさに光のアートです。昼間に血の海をつくった謎の物体は、物理的な刺激を受けると青白く光るので、波が打ち寄せるたびにキラキラ。海に向かって小石を投げると、ちゃぽんっ、キラリ。ホテルの社長さんはとてもアイディアマンで、バケツに入れた水を浜から海に向かってザバーッと撒いて…ピカピカピカピカ!

また、地元ダイバーさんの船に乗せてもらって、船のとおった軌跡が青白く光る様子に歓声を上げる子どもたちもいました。これは最高に贅沢!コロナ禍で遠くに遊びにいけない子どもたちの喜ぶ姿に嬉しくなった親御さんも多かったようです。

私も移住7年目にして、ここまで広範囲にはっきりと光る夜の海を思う存分楽しませてもらったのは初めてでした。(自分が子どもだったら服のまま迷わずダイブしていたでしょう…)

さて、そろそろ種明かし。もうご存じの方もいるかもしれませんが、この青白く光る謎の物体の正体は赤潮です。もっと正確に言うと、「ノクチルカ シンチランス」というプランクトンの集まりです。夜はこんなに美しい姿を見せてくれることから、一般的には「夜光虫(やこうちゅう)」と呼ばれています。見られる時期も規模もまちまちですが、だいたい5月頃から、遅いときには8月頃に見られることもあります。

「いつ見られます!」という予告は当日のお昼にしかできないのが大変残念ですが、今年の夏もまだ見られる可能性はあるので、竹野を訪れる際には淡い期待を持ってお越しください。もし見られたらかなり幸運だと思います◎

この記事を書いた人

丹下 芙蓉

横浜市出身。以前、国立公園のレンジャーという仕事をしていた頃、たまたま豊岡市竹野町に赴任したのが町との出会い。竹野の暮らしが好きすぎて2015年に仕事を辞め、地域おこし協力隊として本格移住。現在は立ち上げたNPO法人たけのかぞくで移住希望者の町案内や都市部に向けた町のPR、地元産の特産品の開発・販売などを行う。

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