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田舎でサラリーマン辞めまして②

起業してからあっという間の2年間でした。

こんにちは!
豊岡市で起業して2年と少し、飛んでるローカル豊岡市民ライターの西垣です。
やっぱりずいぶんご無沙汰してしまいました。
前回の記事では準備段階だった城崎温泉での書店開業の件ですが
お陰様で2018年7月14日(土)、無事にOPENする事が出来ました!

田舎でサラリーマン辞めまして①

思えば長い道のりでした。
長年勤めた会社を辞めたのが2016年、
書店をOPENしたのが2018年…。

あれ?
意外と早い!

ひとまず今回は

・起業って具体的に何をするの?
・本屋始めてみて結局のところどうなの?

っという視点で書いてみたいと思います。

30分で起業しました。

起業には大きく分けて2種類あります。

・個人事業主

なんといっても手続きがカンタン。ただし法人に比べて節税などのメリットは少ないです。
個人事業主の開業届けを、豊岡の場合は豊岡税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を出すだけで、個人事業主になることができます。

記入を含めて提出にかかった時間は30分程度、ものすごくあっさりとした手続きでした。
業種と実際に何を売るのかを書き込んだら住所・氏名を記入。
あとは開業日を書いて終わりです。

びっくりするくらいに記入項目は少ないです。

 

 

・法人設立

税金面や信用面では個人事業よりも有効です。
ただし設立までに定款作成・登記が必要 になったり
たとえ赤字でも税金がかかったりします。

私の場合はとにかくイニシャルコスト(最初の立ち上げに必要な資金)がほとんど無かったため、
個人事業主としてスタートをする事にしました。

 

最初はテントや車を使った、たこ焼き店で起業をしました。
もちろん最初から書店を作れば良かったのですが
まずは自分自身が独立した事業者にならなければなりません。

きちんと儲けを出さなくては潰れてしまう。
家族も食べさせなくてはいけない。

自分一人で出来て、低予算で立ち上げられるものとしてたこ焼き店を選びました。

 

毎日毎日僕らは鉄板の・・・

この画像はたこ焼き屋になってから私の視線の先に常にあった”鉄板ごしの風景”です。
この風景を1年ほど毎日見続けました。

 

起業する前のイメージは
時間を自由に使えて仕事とプライベートの両方で充実を図る…というものでした。

しかし起業してすぐに思った事は「これほどまでに時間が無いのか!」でした。

当たり前の事ですがサラリーマン時代は
自分の上には会社の方向を決める社長がいてくださいます。
組織の大小はあれど
仕事を進めて行く上で必要な事務手続きや管理を行ってくださる経理部の方がいて
荷物を運んでくださるドライバーさんや作業を手伝ってくれる仲間もいます。

それと会社の名前というものは実に便利で
自分以外の誰かが作ってくれた歴史を盾にして
他の人たちの協力を得る事も出来ます。

起業して一人になると全てが自分の手元から無くなります。

商品を売る以外に
仕入れをするのも
代金を支払いにATMに走るのも全て自分でしなければなりません。

そしてどこに行ってもこれまでの経歴も何も使えない、ただの人です。

これまでそんな恵まれた環境にいた事に気が付いていなかったのですね。

仕事に追われ時間も全く作れなくなっていた私は
起業する事の大変さを改めて痛感するのでした。

神鍋のスキー場でロッジをOPEN!

かといっても起業を決意したのは自分です。
とにかく仕事は選ばず出来ることはすべて引き受けてきました。

起業して1年経った頃、スキー場でのロッジを経営したり、
飛んでるスキー場生活が始まりました!」市内で映画製作をしたりしながら書店を作るチャンスを待っていました。

そうしているうちに「城崎温泉に空き物件がある」という情報が飛びこんできた事で
本格的に書店作りは動き出したのです。

書店を立ち上げてみて

最近では書店(いわゆる本屋さん)が全国で年間300店舗減っています。
つまり書店の新規出店はとても珍しく思われます。

僕の作った書店は”人が集まる場所”です。

城崎温泉でビールやコーヒーが飲めて立ち読み自由な書店を作ったことで見えて来たもの…

 

 

 

年齢層が若い!

旅館での仕事終わりに後輩たちを引き連れて遊びに来てくれたK君。
今城崎は全国からやってくる派遣アルバイトの方が多く年齢層もとても若い。
そんな人たちが本を読んで時間を過ごしたり
いろんな旅館の人たちと知り合いになったり話し込んでいる光景がとても楽しいですね。

 

店頭は地域のイベントやセミナーのお知らせ掲示板に

今、豊岡では小さなイベントがたくさん開催されていて
主催者の皆さんは宣伝告知できる場所を探しておられますので、
店の入り口を地域の情報宣伝ツールとして使っていただくことにしました。

いろんなイベントをPRをするうちに
お店をイベントの場所として使いたいというお声をいただくようになりました。

お客様から依頼される形で読書会や落語会、その他いろんな教室を開催したりと
お店の活用方法も広がってきています。

コンビニには並ばないような本を

コンビニには並びそうにない本を並べる、ということは開業前に決めていました。

城崎温泉街という立地もあり、海外の方も多いので「スタジオジブリ」の本を揃えてみました。
画集や映画宣伝の専門書を並べて他の書店とはちょっと違う雰囲気にしています。

出張書店もしてます!

”書店の無い町に本屋さんを作る”

そんなコンセプトでイベントでの出張本屋さんもしています。
イベントの空きスペースを利用して本屋さんにする事で
ちょっとした休憩場所にもなっています。

人が集まる書店になってきました。

こうしてみると書店ってやっぱり人が集まる場所ですね。

本を売るだけじゃなくて
人が交流したり
この場所を使って何か始めようとしていたり

人が集まることでいろんなことが変化したり
新しいものが生まれつつあります。

その切り口として本やメディアっていう情報ツールが集まっている事が
ちょうどよい集客ツールになっています。

やっぱり町に書店は必要だなと思います。

地方だからこそ起業家を探している?

この写真は第一回地域クラウド交流会の様子です。
私はこの会に参加をしたことで書店開業が出来たと言っても間違ってはいないと思います。

この地域クラウド交流会は、行政関係者・地元の金融機関・地域の事業者や生活する人たちが集まり5人の起業家のプレゼンテーションを聞き、一番応援したい人に投票をするという
起業家支援を目的にした取り組みです。

地方はイノベーションを起こし、地域課題を解決させる起業家を探しています。

起業をするといろんな協力者が現れます。

次回は私の書店が実現するのに大きなサポートになってくれた、

「地域クラウド交流会」についてお話したいと思います。

この記事を書いた人

西垣崇史

兵庫県城崎温泉出身。高校卒業後に大阪で映像を学ぶ。
ITインフラが地方でも普及した事で”都会と地方の距離が無くなった”と感じUターン。
市内企業の勤務を経て2016年に「人が集まる場所を作る」をテーマに個人事務所を設立し独立。
飲食と宿泊機能を持つ書店「BookStore iChi」の経営の傍ら株式会社EVAの代表取締役を務める。プロデュースした短編映画「桜が咲く頃 交わした約束は、」がマドリード国際映画祭で外国語最優秀短編映画賞を受賞。

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