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【豊岡で起業!第5弾】実家のような1棟貸しの宿『きのいえ』さんに取材!

【豊岡で起業!第5弾】実家のような1棟貸し宿『きのいえ』さんに取材!

1棟貸しの宿『きのいえ』オーナー兼管理人の進藤さん。

こんにちは。元・地域おこし協力隊のOKD(岡田)です。
現在は豊岡市で起業して、ゲストハウスHostelAct&もりめ食堂をやっています。

今回は、豊岡市で起業された方へのインタビュー第5弾!
おじいちゃんの空き家を活用して、城崎温泉で一棟貸し宿を起業された進藤さんにお話しを伺います。

兵庫県の日本海側、豊岡市にある城崎温泉。JR城崎温泉駅ののれんをくぐると、すぐに温泉街の街並みが広がり、駅通りから大谿川(おおたにがわ)に沿って旅館が軒を連ね、今もまちには70軒以上の旅館があります。

駅通りを歩いて2分、おけしょう鮮魚・海中苑本店さんの角を左に曲がって1分。
2020年1月に城崎温泉にできた新しいスタイルのお宿『きのいえ』さんで、オーナー兼管理人をされている進藤大資(しんどう だいすけ)さんにお話を聞きます。

【プロフィール】
進藤大資さん、1985年、城崎生まれ。
家業は、曾祖父の代から、温泉のまち城崎で襖(ふすま)や障子をしたてる表具師であり、内装やカーテンの事業に業態を移しながら現在に至る。

ご自身は、豊岡高等学校卒業後、京都市内の大学へ進学。東京で就職後、生まれ育った城崎へ戻り『きのいえ』をオープン。家業と兼業で、週末のみ『きのいえ』を営業している。

 

【事業の内容】

–進藤さん、本日はよろしくお願いします。『きのいえ』の名前の由来とお宿のコンセプトを教えてください。
「『きのいえ』という宿の名前は、木造住宅ゆえの「木の家」と、「城崎の家」を掛け合わせてつけました。コンセプトは、「実家のように安心してくつろいでもらえる空間」です。初めて城崎に旅行に来られた方にも、実家のように、自由度高くのびのびと過ごしていただけると嬉しいです。旅館やホテルよりも普段の生活に近い感覚の中で、まちを楽しんでもらえればと考えています。」

–なるほど。どういうところが「実家のよう」ですか?
「実はこの建物、祖父と祖母が暮らす家だったんです。5年ほど空き家だったのですが、僕自身が昔から宿泊業をやってみたい気持ちがあったので、思い切ってお宿として活用することにしました。もともとが民家ということもあり、1棟貸しで利用してもらう宿にしました。キッチンも綺麗にして、道具や調味料も揃えてあるので調理も自由にしてもらえます。」

–日中は城崎の街中で、そぞろ歩きをたのしんで、夜はここでホームパーティーをするとたのしそうですね!1棟貸しって大人数じゃないとできないイメージなのですが、予約は何名からですか?
「予約は2名様からお受けしていて、おひとりの場合は応相談、という形にしています。標準人数は9名様ですが、手狭でも良ければ9名様以上でも対応させていただいてます。じゃあ、実際に建物をご案内しますね。」

1階は居間(和室8畳)、ダイニングキッチン、トイレ、洗面所、ランドリー&乾燥機。2階には和洋室タイプの寝室が2つとトイレがあります。居間にはプロジェクターも完備、ダイニングキッチンと居間はつながっているので食事をしながらの団らんもしやすく、実家さながらテレビを見ながらくつろぐこともできそうです。

【起業するまで】

–案内ありがとうございます。『きのいえ』起業まではどのように至ったのか?お話を聞かせてください。

「昔から好奇心旺盛で‟いつか事業をしたい!”とずっと思っていました。京都市内の大学を卒業後、東京で会社員として働いていましたが、2018年に父から家業をいよいよ手伝ってほしいと言われて地元に戻って来たのが最初のきっかけです。平日は、家業のカーテン工房(豊岡市戸牧)でも働いていて、兼業でやっています。

次のきっかけは2019年の8月頃でした。祖父母の家を宿として活用したい、というぼんやりとしたイメージだけを持って、豊岡市の起業相談窓口IPPO TOYOOKAさんに相談に行きました。曖昧だったイメージが、足を運ぶ度具体的になっていき、最終的には実際に起業するところまで手厚くサポートをしていただきました。相談員の今井さんには本当に感謝しかないです!」

資金の概算の算出から足りない資金の補い方、コンセプト設計、必要な人脈づくりなど、きめ細かく支援してもらったそうです。豊岡市が起業支援に力を入れてくれていたことが非常にありがたかった、1人では絶対開業できていなかったと思う、と進藤さんは語ります。

相談頻度は月1回で、そこで相談をしていろんなことを決めたり「次までにこれやって来てね」と宿題をもらったりして進めていったそうです。

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【実際に起業してみて】

–起業してみて、何か変わったことなどありますか?
「地元に戻って来るまでは、地域には都市的な発想の方は少ないんじゃないかと思い込んでいました。でも実際には、豊かな発想を持って活躍されている面白い方が多くいました。中には歳の近い方もいて、そういう方たちと関わり合えるようになったことが嬉しい変化ですかね。もともとあまり積極的に人と関わりを持つタイプではなかったのですが、起業したことで行動的になって、人との繋がりが増えましたね。城崎は変化が目覚しいので、自分もそこに加われたことにワクワクしながら働いています!」

【これからの展望や目標】
–オープンされて時間がたちましたが、今の目標などはありますか?

「いまの目標は、『城崎の実家』としての『きのいえ』をもっと知ってもらって定着させることです。3世代でのご家族旅行とか、親戚の集まりにも選んでもらえると嬉しいですね。気兼ねなく自由に過ごしてもらえるように、接客はお出迎えとお見送りだけ、と控えるようにしています。中には、お客様に誘っていただいて一緒にトランプをしたこともありますし、そんなふうにお客様と関わっていけるのも嬉しいです。」

–これからやっていきたいことなど展望を伺うと、2つお話してくださいました。ひとつめは、街中の飲食店とコラボして食事のデリバリーによる1泊2食付きプランを提供すること。お客さんの選択肢を広げたいと考えているそうです。

ふたつめは、新しい『きのいえ』の過ごし方を発見していくこと。
例えば過去には、サプライズで誕生日パーティーをしていたグループ旅行のお客様がいたそう。プレゼントやパーティー用の荷物は事前に宿に配送しておいて、当日はお誕生日の方が外湯を巡っている間に部屋を飾りつけたりケーキの準備をしたり。そういった旅館では遠慮してしまうことも1棟貸しの『きのいえ』さんならやりやすいそうです。
プロジェクター完備なので、会社の研修旅行やサークルの合宿にも良さそうだなと感じます。

「僕は、ずっと新しいことにチャレンジし続けたいなと思っています。理想は結婚して、宿のことを奥さんにも手伝ってもらいながら、自分自身はいつでも新しいチャレンジができるだけの余裕を持っておけるようになりたいです。」

–これから起業を考えている方に対して、アドバイスなどお願いします。

「僕からは、「とにかくIPPOに行くべし!」ですね。事業計画の書類はできていなくても良いので、「きっちり考えてからじゃないと…」とハードル高く考えずに、まず相談に行ってみてください。曖昧でも良いので、相談してみると固まっていくと思います。」

–ありがとうございます。複業起業をされた進藤さんですが、お仕事を2つされていて大変ではないですか?

「休みがないので体力的には確かにキツいところもありますが、気持ち的には不思議とストレスがないんです。むしろ、本業でモヤモヤしている時も、きのいえのことをしている時間があることで、両方がイキイキする感じですね!」

–最後に。飛んでるローカル豊岡は、豊岡へのUターンや移住を応援しているサイトなのですが、進藤さんは豊岡への移住ってどう感じますか?

「自然が好きな人に豊岡はうってつけだと思います。自然に関わる仕事で起業をしたい人にも。リモートの仕事を持ちながら豊岡に住むっていう選択肢も今後はありなのかもしれないですね。僕もUターンですし、いろんな人たちから刺激をもらっています!」

–進藤さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました。今後の『きのいえ』さんの発展も楽しみにしています!

【インタビューを終えて】

人付き合いに積極的ではないですとおしゃっていた進藤さん。オープンされて時間もたち、まめだなあ!と驚かされるのは『きのいえ』さんのinstagramの投稿。来られるお客さんの方たちや、設備の追加、『きのいえ』の日常が垣間見えるのはもちろん。近隣のお店やスポットにも足を運ばれて、ご自身が何よりたのしそうです。

あらためて、まめですね!とお話をさせてもらうと「Uターンして、事業をはじめたことで、視点がかわるきっかけをもらったようで、たのしませてもらっています」と話してくれました。
自分ごとがふえることで、まちの暮らし方、たのしみかたもふえるようです。

このインタビューの記事を通して、そういう風に感じられる場面がふえていけばよいなあと、思いながら書いています。

この記事を書いた人

Akitsu OKD

京都府、海の京都・与謝野町出身。2017年から豊岡市地域おこし協力隊に。DMO豊岡観光イノベーションでのインバウンド事業に関わりながら、フォトグラファーとしても地域の魅力にふれています。ローカルガイドやグリーンツーリズム、シェアハウスや移住についても活動しています。2020年3月から公設市場で豊岡ゲストハウスHostelAct&もりめ食堂を運営しています。https://hostelact.com/

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