かばんのまち「豊岡」で本革鞄づくり体験★
豊岡は、「鞄のまち」です。
実は豊岡市、日本有数の鞄産地なのです。
そんな豊岡の鞄の起源は、明治14年に開催された「第2回内国勧業博覧会」での出品作、3本革バンド締めの「行李鞄」という、籠にバンドを巻いた物。
行李鞄の原料となったのはコリヤナギという植物。
軽くて丈夫で、調湿機能もあるという優れもの!
それが豊岡に多く自生していたことが、豊岡の鞄が発展した一因だったようですね。
こちらは明治初期のもの。
大正後期のもの。
※上記のような豊岡の鞄の歴史についての貴重な資料は、玄武洞ミュージアムや、じばさんTAJIMAの「地場産業歴史資料室」などで見られます。
また、じばさんTAJIMAの1階には、「豊岡 杞柳細工(きりゅうざいく)」でできた可愛らしい今どきの籠バックも販売されています。
鞄とともに発展してきた豊岡は、今では日本唯一の「鞄団地(鞄関連企業の集積地)」なるものがあったり、実際に自分で鞄を作る製作体験や見学が楽しめる、ファクトリーショップや小さな工房などもあったりします。
また、豊岡市役所付近には鞄屋さんや商店が軒を連ねる「カバンストリート」という通りがあり、鞄の専門店はもちろん、とっても珍しい “鞄の自動販売機”やカバンのオブジェもあるなど、散策するのも楽しいエリアです。(以下の写真)
詳しく知りたい方は豊岡市観光協会HPも見てみてください。
鞄の自動販売機はこちら。
鞄づくりに挑戦!
今回は、せっかく豊岡市に住んでいるのだから一歩踏み込んで「鞄のまち」を味わってみようと思い、本革鞄作りに挑戦してみました!
豊岡市街から少し飛び出して、豊岡市出石町にあるかばん工房 遊鞄さんへ。
製作体験のメニューは、鞄の他にもスマホケースやカードケース、ブックカバーなどの小物もあります。
さて!まずは、形選びから。
作りたい形の鞄(見本)を数十種類から選びます。実際に使用する革は後程選べるので、ここでの選ぶ基準は大きさや形・値段がメインです。
軽くお出かけに持って行けそうなサイズのものから、A4も楽々入る大きめのものまで。
また、ぶ厚めの革でカッチリしたイメージなのか、それとも柔らかめの革でラフなイメージなのか。
ワントーンで作っても良いし、バイカラーや持ち手だけ色を変えるのも良い。
などなど、どれも良く見えてかなり迷います!
参考にする見本の鞄が選べたら、次は革選び。
そう、形選びで迷いに迷った後は、革選びで迷いに迷うのです。単に色や厚さだけではなく、柄や手触りなども悩みどころ。同じ布でも切り取る部分で厚みや雰囲気が違ったりもします。
見本の鞄を見ながら、「この色にしたらどうだろう、この布は合うだろうか。」等、出来上がりを想像しながら布を選ぶ時間はなんともウキウキ。
併せて、ポケットの有無や留め具の種類、持ち手の長さなども決めていきます。
もちろん、スタッフさんも相談に乗ってくださいます。
ではいよいよ作業に移ります。
まず、型紙通りに革を切る!これが意外と難しい。
革は紙ほど素直じゃないので自然に刃を滑らせると線が歪んでしまうし、また若干伸び縮みもするため、固定する方の手の押さえが甘いと「あれ、ちゃんと真っ直ぐ切ったのにいつの間にか曲線に…?」ということも。
とは言え、スタッフさんが逐一アドバイスやお手伝いをしてくださるので大きな失敗なく進みます。
この後は縫いの工程に入るので、ずれないように仮留めを。
テープやクリップを駆使してしっかりと固定していきます。
レクチャーを受けながらも使い慣れないゴツめのミシンで縫うのは結構な緊張です!必死。
難しいところなどは、スタッフさんが手助けしてくださいます。無理をせず代わりに縫ってもらってもOK。
革の特性を利用してここは引っ張って伸ばしながら縫う、など、プロの技を見ました。
最後は留め具で本体と持ち手を固定します。
ガッチャンする機械がありますが、よく見る鞄の金具はこんな風になっているのか〜!と、私は結構感動しました。
なんとこの工程全て合わせて私も友達も約2時間で製作終了!
大体どなたも2時間程度で終わるよう、体験者さんの進み具合に応じてスタッフさんのお手伝い具合を調整してくださるので、次の予定も組みやすいですね。
ちなみに、今回作った本革鞄は製作料込みで6000円でした。
まとめ
製作体験ができるお店は他にもあります。
鞄製造業に携わっている方だけでなく、こんな風に一般の方でも「鞄のまち」体験ができるのは素晴らしいなと感じました。世界にひとつだけのマイバッグというのも感動ですが、一緒に体験をすることで友達や恋人や家族と特別な思い出になりますね。
豊岡に住んでいる者として、友人が豊岡に遊びに来る際の豊岡紹介コースのひとつに組み込むのもお薦めです!
楽しい豊岡ライフ、またひとつ見っけ。