懐かしいのに新しい。昔ながらの市場で開催される新感覚フードマーケット「あおぞらブランチ」ってなに?

次回10月1日(土)、2日(日)の開催で3回目を迎える、あおぞらブランチ。

どこか懐かしいのに新しい。昔ながらの市場で開催される新感覚フードマーケットは、新鮮な食材が揃う朝市で、生産者との会話や買い物を楽しみながら、休日の少し遅めの朝食(breakfast)と昼食(lunch)を兼ねたブランチ(brunch)が楽しめるイベントです。

あおぞらブランチ

クリエイティブな「但馬の新しい食文化」をリードする、食のアルチザンたちが腕を振るう、いつもよりちょっと遅めの朝ごはん。

豊岡の街中に突如として現れ、まるで蜃気楼のように消えていく。都市伝説のように語られているいまだに謎の多いマーケットかと思いますので、今回は実行委員の目線からこのイベントを開催しようと考えた理由をお伝えすることで、暮らしの中に市場を取り入れてみようと思えるきっかけになれば嬉しい限りです。

その為にも、まずはこの会場でもある、あおぞら市場のことをお伝えするところからはじめようと思います。

あおぞら市場

早朝6時半、自転車に野菜を積んで現れた野良着のお婆さんがテキパキと開店の準備をはじめています。
後から聞いて驚いたのは、彼女の年齢が80代も半ばを迎えているということ。

見渡せば、いつの間にか開店時間に向けて5~6軒の農家さんが準備をしている中、待ちきれない様子で、数人のお客さんが品定めをしながら今日の天気の話をしています。

しかし、その後の客足はまばら、、、
朝市というには少し寂しいお店の数と人通りです。

表通りの駅通商店街から一歩入った、裏路地に位置する通称「あおぞら市場」は新鮮な地元の食材を、生産者が直接販売する昔ながらの行商用の朝市店舗で、1958年につくられました。

南北約60mにわたりおよそ40店舗の露天スペースが並んでおり、市街地北部を縦断する新川(しんかわ)水路上にあるため正式名称は「新川野外市場」と言います。

1940年代、この市場が開設する以前は、大八車を引いて駅通りを中心に周辺の家々を廻り、野菜や魚を行商する人たちが多く居たそうですが、交通事情の変化に伴い、現在の場所に行商人が集まり、朝市を開くようになったそうです。
 
当初はコンクリート上に設けられただけの屋外市場であったため「青空市場」と呼ばれていましたが、雨を凌げるように屋根を設けた今日でも、その愛称で親しまれています。
 
すぐ隣りには、これまた何とも趣きがある木造建築の屋根が特徴的な「ふれあい公設市場」があり、花屋に魚屋、総菜屋や居酒屋など魅力的なお店が今も現役で営業されています。

地域の方々に昔の様子を尋ねてみると、当時はこれらの市場を中心に但馬地域全域から新鮮な食材が集まり、人が通れない程の賑わいを見せていたそうです。

時代の流れとともに、近隣の国道にできた大型スーパーや野菜直売所に取って代わられていますが、かつては豊かな但馬の食文化を支えてきた「但馬の台所」であったのでした。

当時の面影を残す看板が市場の中に残っています。

今でも毎月1日、10日、20日を除いて、雨の日も風の日も毎日開催されているこの朝市、お店の減少や高齢化もあってか、残念ながら近くに住む主婦でさえその存在を知らず、このままでは近い将来、あおぞら市場が無くなってしまう危機的状況です。

そんな中、豊岡の街に訪れた私たちは、この市場がもつ歴史や空間に魅了され、周辺のお店や商店街と連動するかたちで“豊かな但馬の新しい食文化”を生み出す場所としての可能性を感じました。今から2年ほど前のことです。

この市場のほど近く、宵田商店街(カバンストリート)では、豊岡市の地場産業である鞄の商品販売、教育などの拠点施設である、カバン・アルチザン・アベニューを中心に、鞄を核とした地域活性化プロジェクトが既に進んでおり、さらに但馬で唯一の映画館であった豊岡劇場が再生されて、街に新たな文化の息吹が感じられるようになるなど、豊岡のまちづくりの機運が高まっているタイミングでした。

そんな豊岡の街にある魅力的なコンテンツを繋げる役割として「食」を新たに加えることで、年間を通じて多くの観光客が訪れている城崎温泉からの立ち寄り先として、人の流れが加速するのではと考えています。

私たちが開催するあおぞらブランチも単発のイベントでは終わらず、長期的な展望を持ったまちづくりに貢献することを見据えて活動しています。

将来的には、市場の周辺から小さくスタートした店が成功し、表通りの歴史的建築物(復興建築群)などに出店することで、商店街全体として発展していくことが思い描くビジョンです。

現在は季節毎の開催ですが、いずれ開催数を増やしていき日常の市場に溶け込んでいくようなイベントに育てていきたいと考えています。但馬の美味しい食材を求めて、全国から食のアルチザン達が集まり、切磋琢磨しながら豊岡を「美食の街」にしていく、、、

市場に出店する農家さんの食材を使ったコラボメニューや、ふれあい公設市場や駅通商店街との連携なども含めて今後の夢は広がります。

「カバン」と「食」のふたつの職人が息づく「職人のまち」として、世界から尊敬されるまちになる日もそれほど遠くないのでは、と信じています。

この記事を書いた人

中原 大輔

岐阜県出身、料理とレコード屋巡りをこよなく愛する楽天家。大手ITメーカーに就職するも、人生に疑問を感じドロップアウト。篠山市で観光PR会社設立、古民家でのオーガニックカフェ開業を経て、一般社団法人ノオトに参画しつつ個人事業も行う。各種マルシェの立ち上げや、食を通じた企画が得意。稲作3年目。

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