豊岡の赤ちゃん先生!〜ママの働き方応援隊〜
赤ちゃんが先生!?
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こんにちは。
市民ライターの井垣真紀です。
今日は、赤ちゃん先生のことを書こうと思います。
前から気になっていた「赤ちゃん先生プロジェクト」。(NPO法人ママの働き方応援隊)
全国的に活動をされている団体ですが、最近になって豊岡でも活動が始まりました。
赤ちゃん先生って、いったいどういうもの?
話を聞くだけでは、なんとなくしかわかりませんでした。
でも、三姉妹の母である私は興味津々。
そんなとき、
我が家のすぐそばにある城崎中学校で「赤ちゃん先生クラス」が開催されると聞いて、
見学したいです!
とお願いをして取材に行ってきました。
2018年12月のことです。
「赤ちゃん先生」の授業 in 城崎中学校
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今回の赤ちゃん先生と、そのお母さんであるママ講師。
教室の前で、呼ばれるのを待っているところをパチリ。
ドキドキするー。
実は、
今回のママ講師は、たまたま皆さんが学校の先生でした!
育休中の先生。
じゃあ、学校にも生徒にも慣れっこのはず。
でも、
「出産してから初めて生徒の前に立つんです。緊張する〜!」
って。
たしかに。
私も出産育休の後は、
ブランクを感じて、社会と繋がること自体に緊張しました。
みんな同じなんだなぁ。
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今回授業を受けるのは、城崎中学校2年生の二十数人。
トレーナーのお母さん講師から、授業内容の説明や注意事項を聞いたあと、
いよいよ赤ちゃん先生の登場です。
私もドキドキしていました。
みんな、どんな反応をするんだろ。
子どもと大人の間の中学生。
小学生の時は無邪気に挨拶してくれた子も、
中学生になってちょっと話しかけにくい雰囲気になってたりします。
挨拶してもいいかな?っていつも思ってしまうような感じ。
ちょっと心配。
自分が中学生の時もそうだったような気がするなぁ。
いよいよです。
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赤ちゃん先生がママ講師と一緒に登場しました。
無表情だったみんなの顔に少し笑顔が出ます。
でも、まだまだ固い雰囲気。
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4班に分かれて、それぞれ赤ちゃんを囲んで輪になりました。
ちょっと遠巻きながらも、目の前のかわいい赤ちゃんに身を乗り出します。
ぜんぶ、目の前の本人から聞く実話。
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ママ講師が、
赤ちゃんが自分のお腹の中に宿ったときのことから話し始めます。
なかなか妊娠しなかったことや、妊娠がわかって飛び上がるほど嬉しかったこと、
また、流産をしてとても悲しかった話をされている講師もいました。
お腹の中にいるときの赤ちゃんをエコー写真で見せてもらいながら、
真剣に話を聞く生徒たち。
生まれてきてくれた命にどれだけ感謝して喜んだことか、
生まれてきてくれたこと自体が奇跡のようなことである、ということを話されていました。
赤ちゃんの手、ちいさーい!
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赤ちゃんの手と自分たちの手の大きさを比べてみます。
背くらべしてみる生徒も。
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「うわー。赤ちゃん、ちいさー(小さい)!俺、でっかー(大きい)!」
どうして、こんなに大きくなったのかな。
「ご飯食べたから」
「睡眠じゃないかな」
いろんな意見が出ます。
じゃあ、今自分でできることって、赤ちゃんの時はできた??
抱っこしてみる
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おっかなびっくり、抱っこしてみる。
「こわーい。」という生徒もいました。
その気持ち、わかる。
小さな命は壊れそうでこわい。
でも、抱っこしたい。
抱っこしたら、
「あったかい。かわいい。」
お世話をしてみる
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赤ちゃんは、自分ではほとんど何もできません。
みんなでお世話をしてみました。
服を脱がせる。着せる。
みんなで、恐る恐る。
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抱っこ紐をつけて抱っこしてみる。
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歩いてみる。
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荷物も持ってみる。
お母さんの荷物は、おむつやミルクや着替えが入っていて重い。
さらに、
大根やキャベツ、牛乳やお砂糖など、買い物の荷物を持つことを想像したら??
「えー!たいへーん!!」
「むりー!」
赤ちゃんはかわいいけど、お世話はとても大変。
自分で何もできない赤ちゃんは、誰かがお世話をしないといけない。
24時間。毎日。
みんなも同じようにお世話をしてもらって、大きくなったんだよ。
輪が小さくなった。
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最初は遠巻きだった生徒の輪が、どんどん小さくなっていきました。
みんな、赤ちゃんが大好き。
かわいいー。ちいさーい。
って言いながら、にこにこ笑顔。
どんどん距離が縮まりました。
これが、赤ちゃんの持つパワー。
みんなが笑顔になりました。
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ぎゅっと掴まれても、笑顔。
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思わず触りたくなるほっぺ。
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赤ちゃんを前にすると、みんな笑顔になった。
「あの子のあんな顔初めて見ました!」
と先生が驚いてらっしゃったのも印象的でした。
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希望者には、妊娠中のママ講師さんのお腹を触らせてもらう機会もありました。
恐る恐る手を出す生徒たち。
あなたという存在。
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赤ちゃんをここに一人残していったらどうなる??
自分では何にもできない赤ちゃんは死んでしまいます。
あなたが今生きている、
ということは誰かがずっとお世話をしてくれたということ。
だからこんなに大きくなった。
そしてあなたは、そうしてもらう価値のある存在なんだよ。
あなたたちは奇跡のようにこの世に誕生して、お世話してもらってきた。
愛情を注がれてきた存在なんだよ。
という話で授業は終わりました。
ママの笑顔
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中学生たちの笑顔にも感動しましたが、
ママ講師の生き生きした表情にも胸がいっぱいになりました。
豊岡奈佐学級の学級リーダーである森本さん(写真右)に少し話を聞きました。
森本さんは学校の先生ではありません。
こんなステキな笑顔の森本さんも、「子育て中の孤独」を感じていたことがあったそうです。
社会から断絶されたような、そんな気持ち。
産後のお母さんは、多かれ少なかれそんな思いを持った人がほとんどだと思います。
でも、豊岡での子育ては地域と近い。
赤ちゃんを連れていると、声をかけてくれる。
赤ちゃんから教わることがいっぱいあった。
助けられることもいっぱいあった。
そんな赤ちゃんがいる私だからこそ、できることがあるんじゃないか。
地域のためにできることがあるんじゃないかと思って活動しています。
子どもと一緒に、自分にできることを見つけたい。
そう力強く話してくれました。
出産&子育て期間をブランクにせず、キャリアにしよう!
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今回、授業をしてくれた4人の育休中の先生たちと、トレーナーのママ講師、授業の間の子守担当ママ、のみんなで記念写真。
みなさん、ほんとにステキな笑顔。
「育休中は何にもできない、と思っていたけど、赤ちゃんのいる私だからこそできることがあるんだって思って。」
すばらしい。
お母さんだって、子どもだって、誰だって、
役割があることはとても幸せなこと。
自分が誰かの役に立つんだ、って思えることは幸せなことだと思います。
子育て期間をブランクに感じるなんて、ほんともったいなかった。
親として認められたい、と思っていた頃、
こんな体験をしていたらまた違ったかもなぁ、と思います。
18歳になったら巣立っていく子が多い豊岡だからこそ、
この活動を通して、
自分が大切に思われている存在なんだということを実感してほしい。
そういう実感を持って、巣立っていってほしい。
そんな思いを聞きました。
子育てしやすい町に。
女性が活躍できる町に。
誰もが役割のある町に。
誰かにしてほしい、ではなく、自分たちでする。
かっこいいです。
豊岡市は、「赤ちゃん先生クラス」を応援しています。
また、豊岡市ハートリーフ戦略室では「赤ちゃん先生クラス」をしてほしい小中学校、地域コミュニティを募集しています。