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幼児から小学校での英語教育が子どもたちと豊岡市の可能性を広げる

2020年東京オリンピックに向け訪日外国人客が増える一方の豊岡市。城崎温泉にもいま多くの外国人客が訪れるようになった。そこで見かける光景が、地元の子どもたちと外国人の大人の和やかなコミュニケーション。

ローカル&グローバルというテーマを掲げる豊岡市では、子どもたちがそうした資質を持った人材となるようにと、英語教育に積極的にとりくんでいます。

まず、就学前には「こども園」(※幼稚園と保育園を一緒にした、いわゆる「幼保一元化」のための施設)での「英語遊び保育」があります。これは、子どもたちが音楽や遊びなどを通して英語を「聴く」「楽しむ」ことで、英語の音(声)やリズムに慣れ親しむことをするプログラムです。これにより簡単な言葉を覚えるようになります。

また、豊岡市は小中一貫教育(こうのとりプラン)を導入し、ここでも連続性のある英語授業が行われます。ALTが就き、実践的な会話をマスターできるプログラムです。(※AssistantLanguageTeacherの略。小中高校などで日本人教師を補佐し、生きた英語を子どもたちに伝える英語を母語とする外国人英語教師の事です) これによって市内では訪日外国人と英語でコミュニケーションをとる子どもたちの姿を目にすることができ、これはまさに「小さな世界都市」です。

2010年に英会話講師としてカナダから来日され、日本に移住し仕事をされている 元・城崎中学校ALTのモーガン・ハレルックさんに、豊岡市の英語教育で育つ子どもたちの未来を聞いてきました。

豊岡市の英語教育の環境はどう思われますか?

「こども園の頃から英語の練習を始める子どもたちは、他の地域より早く英会話を習得していると思います。確かに豊岡市、特に城崎町に住む子どもたちが訪日観光客や国際アートセンターに滞在する外国人と日常で出会うことが多いのですが、普段のそうした環境もそれを後押ししていますね。」

私たち大人は子どもたちにどんなサポートができますか?

「大人が『英語は難しい』と言うと子どもたちまでが英語は難しいと思ってしまいます。 最初は誰でも初心者なのですから。 例えば図書館に英語の絵本があるので一緒に読んではどうでしょうか? 発音が上手でなくても大きな問題ではありませんよ。」

幼児期からの英語教育で育つ子どもたちの未来はどうでしょう?

「幼児期から英語を勉強していれば、この子どもたちが大人になって仕事に就いたら、この豊岡市は世界中から人を呼ぶ事ができます。 逆に世界中へ出かけるチャンスも英語教育が作ってくれるでしょう。 それに豊岡市に未来の総理大臣や外務大臣がいるとして・・・・いや絶対にいるんです。 その時に彼らが英語を自分で話すことが出来たら世界の人々ともっとコミュニケーションを取れます。 英語はただの道具でありその先にはお互いの立場を理解して尊重する関係があります。 そうすることで日本という国が”グローバルコミュニケーション”に参加できると思います。」

モーガンさんの故郷カナダは移民の多い歴史を持ち英語以外にも中国語やフランス語など 異なる言葉が日常に存在しており、 学校や地域では世界の異なる文化の人の考えを尊重することを何度も教えるそうです。 確かに豊岡で地域の方と一緒に生活をされているモーガンさんは言語や文化の違いを超えて 実にスムーズに地域に溶け込んでおられます。

幼い頃からインディージョーンズのような冒険に出かけたかったというモーガン少年。 子どもの頃から異なる言語や文化の中で育つ豊岡市の子どもたちも 大人になってどんどん冒険に出かけてほしいと思います。

”ローカル&グローバル”な豊岡市の英語環境で育つ子どもたちのチャンスは無限です。

この記事を書いた人

西垣崇史

兵庫県城崎温泉出身。高校卒業後に大阪で映像を学ぶ。
ITインフラが地方でも普及した事で”都会と地方の距離が無くなった”と感じUターン。
市内企業の勤務を経て2016年に「人が集まる場所を作る」をテーマに個人事務所を設立し独立。
飲食と宿泊機能を持つ書店「BookStore iChi」の経営の傍ら株式会社EVAの代表取締役を務める。プロデュースした短編映画「桜が咲く頃 交わした約束は、」がマドリード国際映画祭で外国語最優秀短編映画賞を受賞。

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