まつじゅんの妻ターンジャーニーin豊岡② ~魅力案内夫と妻ファースト夫~
妻ターン友だちの1人目をご紹介
みなさんこんにちは、妻ターン夫のまつじゅんです。
妻ターン夫を探す旅に行ってきましたよ!
そして、ばっちり妻ターン友だちを作ってきました!
今回ご紹介するのは、京丹後市・久美浜出身で、現在はガイド業・ボルダリング施設の運営・障がいのある方へのアクティビティ提供という“三刀流”で活躍している齋藤浩司さんです。
齋藤さんは以前から知り合いだったのですが、この企画を通して実は妻ターン夫であることを知りました。
そんな齋藤さんを、妻ターンの視点から深堀りしてご紹介します!
自分は変わらない

齋藤さんは、妻の実家の跡継ぎとして婿養子となり、名字を変えて城崎へ移住してきました。
名字が変わることに抵抗はなかったのか聞くと、「たとえ名字が変わっても、自分の本質は何も変わらない」という答えが返ってきました。
そう思えるようになった理由はあるか尋ねると、2歳上の兄が優秀で、小中高とずっと「兄の弟」と呼ばれ続けた経験があり、それに反発するように「僕は僕」と考えるようになったことかもしれないと、笑いながら語ってくれました。
齋藤家としての意識

経営しているBoulder plusの様子
齋藤さんに、義実家での暮らしで感じた変化について聞いてみました。
城崎に移り住み、義母との同居生活が始まると、日常の中には細かな“ズレ”もあったそうです。
「マヨネーズの向きが違うとか、スリッパの位置が入れ替わってるとか(笑)。でも、そんな些細なことよりも、プラスの面が圧倒的に多かったです」と笑っていました。
そして、以前は地域の行事や役割について「別に僕がやらなくてもいい」と思っていたそうですが、家庭を持ち、子どもが生まれてからは「自分の行動が“齋藤家としての振る舞い”になる」という意識が芽生え、関わり方も自然と変わっていったといいます。
そんな想いから地域の行事には声を掛けられれば積極的に参加したそうです。
しかしながら、それでも多少の外様感はあると語り、「城崎って、幼稚園から中学までずっと一緒の人たちが多くて、地元グループのノリが強い。僕はそこに無理に入ろうとせず、求められたときに応える感じです」と話してくれました。
今では地域に見守られている実感もあり、「将来は自分も“見守る側”に回っていきたい」と語ります。
最近では「いずれ村の役もお願いしたい」と声をかけられることもあり、「地域の一員として認めてもらえているのかな」と感じているそうです。
外から来たからこそ見えた豊岡の魅力

海遊びと岩登りをミックスした個性的なアクティビティを提供
そんな齋藤さんのライフワークは、なんといってもガイドの仕事。
コーステアリング(岩場×海遊び)やスノーケリング、SUP体験などを通して、豊岡の自然を全身で感じられるアクティビティを提供しています。
外から来たからこそ気づけた豊岡の魅力があるそうです。
さらにガイド中、お客さんから『この景色、最高ですね!』と言われて、「たしかにここっていいな」と新たな魅力に気付かされることもあるとのこと。
そんな体験が積み重なって、「やっぱり豊岡っていい場所だな」と思えるようになったと話してくれました。
また、ガイドの前後も豊岡を楽しんでもらいたいと、周囲のお店を事前にリサーチして提案するなど、アクティビティ以外でも豊岡の魅力が伝わるよう工夫をしているそうです。
妻ターンを考えている人へのメッセージ
齋藤さんに、妻ターンを考えている人へのアドバイスをお願いすると、こんな答えが返ってきました。
「妻の地元にうまく馴染めるか不安に感じている人もいると思います。でも、地元の人たちも最初は“どんな人だろう”と様子を見ているだけ。だから焦らなくて大丈夫。声をかけられたときに応えるような距離感で十分だし、関係はゆっくり築いていけばいいんです」
自然体で地域と向き合い、少しずつ関係を築いてきた齋藤さんは、今も妻の地元・豊岡の魅力を発信し続けています。
妻ターン友だちの二人目をご紹介
そしてさらにもう一人の妻ターン夫をご紹介します!
ですがその前に、「妻ターン」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
『義実家との距離感が不安』『地域に馴染めるか分からない』、そんな声をよく聞きます。確かに、パートナーの地元に移り住むというのは、単なる引っ越しではなく、すでに形成された人間関係の中に自分を置くということです。迷いや不安があるのも当然だと思います
一方で、さらっと地域に馴染んでいるように見える人もいますよね?
その人の話を聞けば、【失敗しない妻ターン】のヒントが見つかるかもしれない!
そんなわけで今回ご紹介するのは、豊岡市役所・都市整備課で働く増田善光さんです。
千葉県茂原市出身で、妻の「地元に帰りたい」という一言をきっかけに、婿養子として名字を変え、豊岡に移住しました。
「僕はどこでもよかったんです。妻が笑って暮らせるのが一番だと思ったから」
そこに迷いはなく、「妻にはずっと横で笑っててほしいんです」とさらっと。
結婚17年目の今でも手を繋いでデートするほどの仲良しだそうです!
そんな妻ファースト夫の増田さんにいろいろ聞いてきました。
地域に馴染むコツは「全部行く」

市役所で働いている増田さん
さっそく増田さんにインタビューを始めたものの、いきなり困ったことが。
移住に際しての悩みや移住後に困ったことを聞いても何にも出てこないんです。
「なんかあるかなあ……うーん、ないですね」
まさにインタビュアー泣かせ!
縁もゆかりもない土地に引っ越してきたのに、すぐに地域に馴染んだそうです。
本人曰く、「初対面でもあまり壁を感じないタイプ」なんだそうですが、実はそれだけではありません。
地域の隣保の会議後の飲み会、こども育成会の飲み会、ゴルフ同好会の飲み会など「飲み会は全部行きました!」とのこと。
地域の人と関係を築くきっかけを逃さないその姿勢が、増田さん流の地域に馴染むコツだったのかもしれません。
でもここで、ようやく困りごとが出てきました(やっと!)。
「地域の人たちって、お互いを昔からのあだ名で呼び合ってるんですよ。最初は本名がわからないし、なんて呼べばいいか分からなくて(笑)」
増田さんはある日、酔ったふりをして、勇気を出して相手のあだ名を呼んでみたそうです。
「そしたら、向こうも下の名前で呼んでくれたんです。そのとき、仲間として認めてもらえたのかなって、すごく嬉しかったですね」
このエピソード、めちゃくちゃ好きです。
その時の様子を想像して、こっちまで嬉しくなっちゃいました。
〇〇の時間が圧倒的に増えた

豊岡で暮らすようになって、何が一番変わったか聞いてみました。
一番変わったのは通勤時間だったそうです。
「東京では通勤に1時間。今は10分です」
そのぶん、『子どもたちとの時間』が圧倒的に増えたとのこと。
小さなお子さんと散歩したり、一緒に虫を追いかけたり。
そういう日常がすごく楽しいと話してくれました。
現在は4人のお子さんと賑やかに暮らしているそうです。
「ついていく」だけじゃない自分の選択
妻ターンは「ついていく」イメージが強いかもしれないけど、増田さんと話して感じたのは、それだけじゃないということでした。
「僕にとって一番大事なのは妻が笑って暮らせることなんです。だから僕は妻ターンを選びました」
自分で選んだからこそ、今の生活を楽しめているんだろうなと思います。
妻ターンは、家族のために【自分が何を選ぶか】を問われる決断かもしれません。
でも、そこで誰かの希望にただ従うのではなく、自分で納得してその道を選ぶこと。
それこそが【失敗しない妻ターン】の秘訣なのだと感じました。