MENU

コロナ禍と映画館

ドライブインシアターって皆さんご存知ですか?

こんにちは。

豊岡市にUターンして5年目、彫刻家として活動している美藤 圭です。

全国的にコロナウイルスへの不安がまだまだ続く、2020年7月にこの記事を書いています。

2020年1月から世界的に広まり始め、4月にはいよいよ日本でも緊急事態宣言が出され、豊岡市も各方面へ自粛が呼びかけられました。

豊岡市にある映画館、豊岡劇場も休業要請期間を経て

検温、消毒、換気、マスク、アクリルボードの設置、距離を取って並ぶ、一席づつ開けて座るなど、感染防止対策を徹底した上で営業が再開されました。

映画館が再開され、密にならないよう対策されているものの、気持ちの面でまだ抵抗がある方もおられると思います。

そんなコロナ禍を経て、今、映画界で注目されているのがドライブインシアター。

ドライブインシアターって皆さんご存知ですか?

ドライブインシアターとは

屋外に設置された巨大なスクリーンに投影される映画作品を、車に乗ったまま鑑賞できるというもの。

今では少なくなってしまいましたが、他の観客を気にせずに観られるということもあって、日本でも80年代に普及しました。

豊岡劇場では営業再開するにあたって、多くの人に『新しい映画体験』をしてほしいという想いから、企画されたのが…

ドライブインシアター豊岡

その名も

『ドライブインシアター豊岡』

大きなスクリーンが必要なので、設営だけでも大変そうですが、今回の会場となったショッピングモール コープ豊岡の屋上駐車場には、なんと、スクリーンに適した外壁が元々あったそう。

すごい!

この日上映されたのは『グリーンブック』という作品で、

車に乗ってアメリカ南部を回るという内容。

しかもこの日、7月4日はアメリカの独立記念日。

さすが豊劇です。

 

チケットは事前に豊岡劇場のHPよりオンラインで購入しました。

駐車場の上り口でチケットを見せると、上映における説明やルールを書面で説明されます。

屋上駐車場に着くとすこし待機。

チケット購入時に車種を伝えてあるので見やすいように車高の低い軽自動車を先頭に、順番に誘導されます。

所定の位置に車を停めると、エンジンはかけたままでライトを消します。

音源はカーステレオのラジオを通して流されるので、ラジオの周波数を合わせます。

(この日は80.0MHzでした)

すると「上を向いて歩こう」が流れてきました!

何だろう?豊劇からのメッセージかな?ワクワクする気持ちが高まります!

また、開演まで少し時間があったので一度車から出て、コープ豊岡で映画鑑賞のお供にするおやつと飲み物を購入しました。

買い物中、久々に会った友人夫婦。彼らも同じく映画を見に来たそう。

「あ!プリン買ってるやん!うちも買おう。」

なんて、遠足気分も味わえました。

いよいよ上映時間の19時になったのでスマホの電源を切り、

映画がスタート!……

BGMが止み、

映像が切り替わり、

映画の音声がカーステレオから流れてきました。

「すごい!なんだこれ!すごい!」

 

なんというか、映画館でもなく、家とも違う、すごく新しい感覚でした。

 

車の中でシートを倒してお菓子を食べ、ゴロゴロしながら時々喋ったりして……

最高だ!なんかキャンプみたい!

因みに途中、車内の計器等の灯りが少し邪魔だったので、ストールなどで被って隠したら気にならず見やすくなりました。

参考までに。

映画が終わるとまた、カーステレオから「上を向いて歩こう」が流れます。

家に着くまで、しみじみと聴きながら帰りました。

 

 

そして映画を観た翌朝、仕事に行くために車に乗り込むとカーステレオからはザーーっという砂嵐の音が流れ出しました。

「あぁ、そうだ。昨日のままだ……。」

何も流れない周波数80.0MHzを聴きながら、昨日のドライブインシアターのことをぼんやり思い出しつつ仕事へ向かいました。

 

音声の余韻。

ドライブインシアター、楽しかったなぁ。

これからのこと

上映後、豊岡劇場のスタッフの伊木くんに

「こないだの企画よかったよ〜!」

と伝えました。

ドライブインシアターは全国的にも徐々に増えてきていますが、豊岡劇場では次の開催は未定とのことでした。

しかし、9月に開催される豊岡演劇祭2020 と連動して関連作品を特別プログラムとして上映する新たな取組が予定されています!

その名も

豊岡演劇祭特別プログラム@豊劇

このタイミングでこれらの作品が劇場で観れるのは豊岡だけ!

2部構成で合計5時間越えの作品や国内初上映作品、トークイベントなども盛り沢山!

楽しみです!

 

 

自粛期間中、自宅でもたくさん映画を観ました。

今やレンタルや動画配信サービスで多くの作品は自宅で観賞できますが、これって映画館で観たらもっと感動するだろうな、とよく思います。

大きなスクリーン、音響、日常から隔絶された場所で一層質の高い没入感を得られます。

映画館へ映画をわざわざ観に行く限り、

泣きたいし、笑いたいし、ビックリドキドキワクワクしたいし、時には「なんだよー!そんな結末あるかよ!」なんて憤慨したりしたいんです。

そして、映画が終わって扉を開けると、そこには感想を言い合ったり、話さずともほっこりとした顔をした、同じ作品を一緒に共有した人がいます。

これが良いんです。

豊岡劇場は自粛期間を経て、生き残りました。

きっと同じように豊岡劇場が好きな人がたくさんいて、

無くしちゃいけないと思ったから。

これからも楽しみにしてますよ!

 

この記事を書いた人

美藤 圭

クリエイター(自営)
高校卒業後、「ものづくりで飯が食いたい」と思い、飛騨高山へ。
設計事務所、家具工房、家具メーカーを経て、2015年地元豊岡にて家具と彫刻の工房「2B works 」を開業。

趣味はボーッとする事と寝ること。

この記事を読んだ人にオススメ!

ホーム カルチャー コロナ禍と映画館