豊岡在住vol.1 履きもん
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"ヒモ靴でさえ履けたもんじゃない。お気に入りの靴を履いて出ようものなら、玄関先で子どもに踏まれて瞬時に汚れてしまう。ぴったりの靴を選んで外に飛び出していく。名だたるファッションデザイナーが言ったいう類のことは、今の私には関係のない話だ。知らぬ間に変化している。女性にとってライフスタイルで価値観かもしれない。購入価格はスーパーで4000円程だった。これまで買った靴と比べると高い値段ではないのに、「高いねー。名を語っているが、どこからどう見てもただのゴム製長靴だ。お締まるように出来ていて、これなら雪が入る心配もなさそうだが、そもそも私の脚の太さなら雪の入る余裕はさほどない。私にとっては余計な機能だ。みんなどこか拍子抜けして、「やっぱり大変だけど、1回くらい雪かきをしないとすっきりしないな〜」なんて話になったりする。ブーツ。ずっといらないと思っていたが、手にした途端に足下がない子育てからはひと段落する。ほっとして足下を見ると、育児中に履いていた靴はすっかり汚れて靴底もすり減っている。そうる。表に走り出してしまいそうな3歳児と5歳児を羽交い締めで阻止しながら、自分の靴を5秒で履く。ブーツもハイヒールも、が変化するのは当然のことだ。1000円くらいで売ってないんだ」とどケチ根性丸出しで主人に文句を言った記憶がある。世辞にもお洒落とは言えない。ご親切に履き口の部分がキュッと積雪があろうが、道がぬかるんでいようが関係ないタフな但馬無敵になった気がするから来年こそは出番があってほしいものだ。だ、随分と履いていないヒールの靴を出して磨いてやろう。豊岡の気候は変わりやすいけど、お天気のいい日にヒールを履いて久々に主人と出かけてみようと思う。毎日考え込んでいる余裕もなく、瞬発的に無意識に今の自分にお洒落な人は靴にこだわりをみせる"と購入したのはオーソドックスな黒い但馬ブーツ。ブーツという一度も足を通すこともなく、早々に春がやってきた今年の豊岡。ファッションアイテムから暮らすための道具へ、靴への考えはそんな考えの変化が、私に但馬ブーツを買わせる気にさせたのこの春から一番下の娘は保育園、長男は小学生になり目が離せessay23

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