豊岡在住vol.1 履きもん
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年なら冬になると数10センチのまとまった積雪があり、街中は大きな除雪車が走り始める。各家々もスコップで雪かきをするところから一日が始まり、積雪に向けた準備をすることは豊岡で当たーツは内面に綿の入った暖かい長靴で、豊岡の深い積雪に対応しことも当たり前のことだ。大抵1人1足は持っているから、玄関ツで雪の中にすっぽり足を入れるのを、楽しみにしていたのに。めて買った。これまでは格好悪く感じて履いたことがなかった。履いていた。時々滑って転ぶくらいで、それさえ気をつければいいだけのこと。短足を隠して少しでもスタイルをよくみせるためにも、女性としての気持ちを引き締めるためにも、ヒールは必需品だった。それに、滑って「きゃっ!」となるところから恋が始まるかもしれないし、それはそれで悪くないよね。独身時代はそどもがいると、出かける準備に4倍の時間がかかる。玄関先ではり前のことだ。た、膝下まである作りだ。雪が積もるとスーツ姿のサラリーマンも革靴から但馬ブーツへ衣替え。豊岡では営業マンが履いているに家族分がずらりと並んでいたりする。反発心のようなものだ。少々滑ろうが、ヒールのブーツを好んでう思っていた。0歳児を抱っこしながら、千手観音状態で子どもたちの準備をす雪かきをしない冬は、豊岡で生まれ育って初めてのことだ。例そのアイテムのひとつに但馬ブーツというものがある。但馬ブそれが、今年の冬は出番がなかった。買ったばかりの但馬ブー私は豊岡出身で豊岡在住であるが、但馬ブーツを今年の冬に初ところが今は結婚して3人の子どもがいる。0・3・5歳の子essay文・イラスト◉RINTARO豊岡生まれ豊岡育ちのイラストレーター。美容師の夫と市内にヘアサロン「CRAFTSMAN'S F」とコーヒースタンド「カミノ珈琲」をオープンし、3人の子どもと刺激的かつ穏やかな日々を過ごしている。22

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