豊岡在住vol.1 履きもん
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着て、軽トラに乗りこんだ。中のチャックをお互いに締め合うと、2人がボンベを背負ってゆっくりと入水していく。ダイビングにハマった当時、ほとんど泳げなかった美紀さんは、泳げなくてもボンベを背負って足ヒレを付けえてくれる。気持ち良さそうに泳ぐ2人は、本当に海が好きなのがわかった。「ダンゴウオっていう2〜3センチの小さな小さな魚がいてね、冬場に見られる魚で、今は幼魚だから4ミリくらい。とっても小さいけどこれがすごい大人気で、遠くからでもわざわざ多くの人が見に来るんだけど、50歳を過ぎたおじさんでもダンゴウオだけを1時間ずーっとかわいいかわいい!って撮影してて、もうアイドルに近いんです。それだけ期待して来られるから、今の時期どこでどんな魚が見られるか、ちゃんと調べておくんです」しばらく泳いだ後、2人が海から上がってきて、美紀さんは重そうなボンベをよいしょ、と下ろした。「インストラクターになるまで、めっちゃオシャレなイメージがあったけど、実際やってみるとそうでもないんですよ」「そうですか?リゾートアクティビティってキラキラしてるし、オシャレで楽しいイメージだけど……」メインでも営業はできるけど、やはりダイビングをメインでやっていきたいそう。「アレもコレもと詰め込んでしまうと自分たちが倒れてしまうから、ちょっと背伸びして頑張るくらいがいいんです」と陽介さんは語った。「皮が剥がれるからかなぁ?」冬用のダイビングスーツの下に着るインナーダウンを浜辺の路肩に車を停め、ダイビングスーツを着る。背た足を動かすだけで水中を動き回れることが、楽しくて仕方がなかったそうだ。足ヒレが水中を自由な世界に変「迎える方になってみると、結構体力要るし、汗かくし、夏場の繁忙期なんてヘトヘトになりますもん」現在の仕事の配分はダイビング7割で宿泊3割。宿泊case.03 田中さんたちの場合19

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