目指すはスケートボードパーク!part 1

突然ですが皆さん、スケートボードをご存知ですか?
滑ったことのある方、名前ぐらいは知っている方、今はじめて聞いた方、いろいろだと思います。
ちなみに私は、その類のスポーツは全く興味のない人間でして、
スケボーとかスノボーとか、両足が塞がってケガをしやすそうなスポーツのいったい何が楽しいんだ、という偏見を持っていました。
滑る音もうるさいし、騒音極まりないじゃないかと。
正直言うと、今もその気持ちはまだ少しあるのですが
最近その気持ちが少しずつ変わってきているんです。
お話すると随分長くなるうえに、今現在進み続けている話なので
連載として皆さんに読んでいただければな、と思う次第です。
前置きが長くなりましたが、思い返すと2年前。
一人のスケーターがコーヒースタンドに足を運んでくれたことでした。
スケーター、クニオ

クニオ、28歳。豊岡市出身のスケーター。昼間は城崎の飲食店で働き、休日や夜間にスケートをしています。スケート歴は4年。

豊岡市中央公園(通称:SL公園)のローラースケート場で、クニオたちスケーターのコミュニティが作られていることを知りました。メンバーは10名前後。
いやはや、豊岡にそんなスケーターがいたなんて。
あれはシティーボーイ・シティガールのものだと思っていた自分をビンタしてやりたい。
偏見、偏見。
それから頻繁にスケートに乗って、仲間たちとコーヒーを飲みに来てくれるスケーターたち。チャラチャラしてると思いきや、なんだかみんな礼儀正しいし、素直ないい子たちではないか!
本当に、偏見は良くないですね。

実はカミノ家のヒゲ主人もスケーター。スケーター歴14年。
何が上手くて下手なのか、素人の私には判断しがたいのですが
スケートに乗って公設市場や近所のパン屋さんに買い物に行っているあたりから、なかなかの腕前なのではないでしょうか。
そんなヒゲ主人なので、スケーターたちとの距離がぐっと縮まって
気付けばみんなのアニキのようになり、スケーターたちの相談係になっていました。
豊岡はスケーターの居場所がない

先にも書いたSL公園のローラースケート場。
いやいや、今どきローラースケートって…!
光GENJIが履いていた、という情報しか知らない…!
それもそのはずで、今はローラースケートで利用している人はほとんどいないようなんです。
主な利用者がクニオたちスケーター。
練習できるスケートパークがないため、ローラースケート場を使用している、とのことなんです。
老朽化したパーク

パークができたのは平成5年。25年以上が経過しています。
パークの路面と塗装は剥がれ落ち、地面はひび割れ。
川沿いのパークなので、大雨の時には浸水し、そして水がひいてもその後は土砂まみれ。
土砂をほうきで掃くところから練習を始めるようです。
時々、消防団の放水活動の練習が行われる場所でもあるようで、親切な消防団が路面の土砂をホースで流してくれる、という心温まる出来事もあったようです。
だけど、ひび割れなどの路面の悪さは改善のしようがなく、練習をしているとスケートの板がすぐに傷んでしまうようなんです。
こんなパークの状況ですが、彼らにとっては大好きなスケートを滑れる唯一の場所。
板が痛もうが、水に浸かろうが、今はここしか場所がない現状なのです。

パークが使えなくなる⁉︎
2018年の夏、そんなスケーターたちにとって重大な事件が起こりました。
「やばいんすよ…」
クニオがヒゲ主人のところへ相談にやってきました。
パーク内にあるスケートの練習道具が撤去されるとのこと。
この練習道具、実は歴代スケーターの先輩たちが自分たちで作ったものを置いていて、許可が必要だとは知らなかったようなんです。
SL公園は豊岡市が管理する場所。
無断で放置された道具で、けが人が出たら大変です。
みんなの公園なので、行政としても仕方のないこと。
スケーターたちにとっては一大事です。
ただでさえ、なるべく邪魔にならないよう、音がうるさくならないよう気を使って、肩身の狭い思いをして練習しているというのに…!
あれ、あれれ?
私ったら、最初はスケートボードなんて、危なくてうるさい、なんて言っていたのに。
気付いたら心動かされちゃってるじゃないの!
そうなんです。最初はなんとも思わず、スケーターや主人の活動を冷ややかな目で見守っていたのですが
気付けば、頑張れよ…!と応援するまでになってしまったのです。
そんな私の心の変化と共に、スケーターたちの想いや活動、そしてそれに関わって下さる方々のことを皆さんに伝えたい!そう思って、今回このような連載を始めました。
スケートボードは2020年の東京オリンピックの種目に選ばれました。
最近、豊岡の小学生もスケートボードをする子どもが増えてきています。
クニオたちやヒゲ主人の目標、スケートボーとのパークを作ることは出来るのか、私も記録しながら見守りたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
次回へ続く…。