豊岡の小さなフレンチ monter

3年前にUターンして家具・彫刻工房 ”2B works” を開業した、市民ライターの美藤圭です。

 

2016年、豊岡に1軒のフレンチレストランが誕生した。

店の名前は「monter(モンテ)」。

Uターンして、お店を開いたのは川嶋健太くん。

ヤマバト、ヤマウズラ、ウサギなどジビエ素材を使い、

県外からもお客さんが訪れる店になった。

 

 

今日は、そんな川嶋君にインタビュー。

 

 

お店を開いて1年経ったいまの気持ちは?

年が明けてまだ雪が残る大開(だいかい)通り。

豊岡駅から東向きに伸びる豊岡のメインストリートの一つ。

 

「もうお店はじめて一年ちょっと経つけど、どう?」

 

何気なく聞いてみた問いに彼はこう答えた。

「全然良くはないっすよ。けど楽しいっす。」

 

 

大開通り沿い、豊岡市役所の斜め向かいにある

フレンチ monterのシェフ 川嶋くんは高校の後輩だ。

よくしゃべるし、すぐちょける(ふざける)

学生の頃はくだらないことばかり喋ってた男だったが、

立派な料理人となって豊岡に帰ってきた。

 

 

 

僕が開業して間もない頃に彼もお店を始めた。

お店を始めるにあたって、

僕の作ったお店の看板や彫刻作品を店内に取り入れてくれたりして

名刺のデザインなどでも関わらせてもらった。

 

 

 

僕は正直、ちゃんとフレンチを食べたことがなかったけど、

川嶋くんのおかげでイメージが変わった。

テーブルマナーやワインの知識なんかなくたっていい

肩肘張らずに楽しめる

そんなお店だ。

 

ロッシーニ(伝統料理の名前) 牛フィレ肉とフォアグラを重ねてソース ペリグー(トリュフのソース)をかける伝統料理

 

川嶋くんは、高校を卒業後に神戸の専門学校を出て

日本やフランスの星付きの有名店で修行していた。

4年前に、豊岡に帰ってからは地元のホテルでシェフとして働いていた。

その時に知り合った方と結婚し、

まもなく子どもも授かった。

 

 

自分のお店を持つことに憧れもあったが、不安もあった。

奥さんが背中を押してくれた。

 

 

 

キャレ ド ヴォー(子牛)のロティ アーティチョークのバリグールと白ワインのシロップで炊いた金柑

 

 

当初、問い合わせの電話はあっても

なかなか予約をしてもらえなかったそうだ。

 

 

ウサギ?ヤマウズラ?

 

それってどんな味がするの?

 

 

馴染みのない料理に食いついてくれる人は少なかった。

クリスマスやバレンタイン、新年会シーズンなど予約がたくさん来る時期もあれば

イベントのない月などはお客さんがほとんど来ない時もあった。

自分の想像と現実のギャップを目の当たりにして

気づくと十円ハゲができていたそうだ。

 

 

 

田舎だと難しい…という思い込み

カイユ(鶉)のフォアグラ ファルシ ハチミツバターのキャラメルコーティングとジャガイモのピュレ

 

 

川嶋君自身、お店が1年続くとは思ってなかったそうだ。

しかし今、
1年経って

まだ続いてる。

 

 

 

初めは、続けていけるのか、家族を養っていけるかな

と不安な気持ちばかりだったが、

 

最近は少しずつお客さんがついてきたおかげで

次は何を作ろうかな?という前向きな気持ちに変わっていった。

 

 

 

 

ジビエの王様べキャス(ヤマシギ) ジビエは狩猟で獲った状態のまま来るので羽を抜くところから調理する。

 

ヤマシギが食べれると聞いて徳島から食べに来られた方もいた。

SNSで食材や料理の画像を見てくれていたそうだ。

 

 

地元だけでなく県外からでもわざわざ来たいというお客さんも増えてきた。

去年はライチョウも出した。

ヤマバト、ヤマウズラ、ウサギ…
地元で扱うお店も少ないが、そういうところも強みだ。

最近では料理教室をやって欲しい

という声もかかるようになった。

 

本当にじわりじわりと口コミが広まっていって

少しずつ予約が増えていった。

 

 

そんな話をしながら、彼がつぶやいた。

 

「なんかね1年経って気づいたんですけど、

自分のものさしでやっちゃいけないなぁって。」

 

 

 

本場のフレンチをそのまま持ってきてもいけない。

東京でやっていたこととも違う。

豊岡でのやり方ってのがある。

 

裏を返せば、
都会のシェフには出来ないことがやれる。

都会では難しいが田舎なら提供できる価値があると感じているという。

 

 

 

 

時々、monterの入り口に掛かっているこの看板。

”本日貸切” という看板を見るたび、僕は嬉しくなっていた。

今夜も後輩が頑張っている。

 

この看板を見ると「お前も頑張れよ!」って肩を叩かれている気がするのだ。

 

 

この記事を書いた人

美藤 圭

クリエイター(自営)
高校卒業後、「ものづくりで飯が食いたい」と思い、飛騨高山へ。
設計事務所、家具工房、家具メーカーを経て、2015年地元豊岡にて家具と彫刻の工房「2B works 」を開業。

趣味はボーッとする事と寝ること。

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